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スパイウェア? 遠隔操作? 聞きなれない単語を日向はうまく回らない頭のなかで咀嚼してみる。
「なんの話をしているのかさっぱりわかんないんだけど?」
とぼける高見沢の手のひらが、じわっと汗ばみ始めた。焦りが伝わってきて、それはつまり逸也の言っていることが図星だということで。
「あんたがヒナちゃんのスマホに仕込んだおかしなアプリとおんなじやつを、あんたの営業車に放り込んどいたのよ。おかげさまであんたの行動が丸わかりだったわ」
「いい加減なこと言ってんじゃねぇよっ、レズ女っ」
「あら、あたしがレズビアンだってことはここにいるメンバーにしかカムアウトしてないのにあんたが知ってるってことは、ヒナちゃんのスマホから情報を抜いたからでしょ? とぼけるのもいい加減にしなさいよっ」
アヤカの言葉に高見沢が声を詰まらせた。畳み掛けるように巧が続く。
「お前が金物屋に忍び込むのはわかってたんだ。だから監視カメラを設置しといた。暗闇でもそのピカピカの腕時計ですぐお前だってわかったし、トラの鳴き声に驚いて振り向いただろ? おかげで正面からの顔もバッチリ撮れてるはずだぜ」
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