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 胸に飛び込んできた日向を受け止めて、逸也はしっかりとその背中に腕を回し抱き締めた。出会った頃よりひと回りふっくらした体が愛おしい。 「つまんない嫉妬して不安にさせて、ごめんな」  もういい、というようにかぶりを振る日向をさらに強く腕のなかへ閉じ込めて、逸也は深いため息をついた。 「アヤカがさ、高見沢が怪しいって気づいてさ。そんで調べたらお前のスマホにスパイウェアが仕込んであってさ、すげぇ驚いたよ。んで、あいつを捕まえようって毎晩みんなで話し合ってたんだ」  背中から腰にかけてのなだらかなカーブ。逸也はその愛しい感触を何度も確かめながら、日向の耳元へ唇を寄せた。 「遠隔操作でスマホから音を拾えるっていうしさ、日向の可愛らしいあのときの声をあいつに聞かせたくなくってさ。俺がどんだけ欲望と戦ったと思ってんの。どんだけお前をオカズにしたことか。おかげでヤオイダにティッシュばっか買いに行ってたわ」  耳から点火されたようにうなじまで赤く染まった日向が、呆れたように口を開いた。来るぞ来るぞ。ほら。 「なに言ってんですかっ。この変態っ」

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