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おまけ―6
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「ほんとにね、ふざけんなっ! って話よっ」
「まぁまぁ、そんな興奮するなって」
「ちょっとっ、なんでイッちゃんはそんなに冷静なわけっ? 悔しくないのっ?」
頭から湯気が出そうなほど怒り心頭なあかねの背中をさする逸也は、困ったように「そんなもんだろ?」と笑った。
「だっておかしいでしょ? あのバカ息子が優勝とか、あり得ないわよっ。ぶっちゃけ参加者の中で一番イケてなかったんだからっ。八百屋のクソ親父、立場を利用して不正したに違いないわっ。きぃー、悔しいっ」
いつもはゴーストタウン化する夜の商店街だけど、今夜は祭りの名残で人通りが多い。激昂するあかねの姿に「なにごとか?」と視線が集まってくる。
「まーいいじゃねえの。俺は頼まれて出ただけだけで最初からモブなわけだし、トキタの宣伝をみっちりできたから満足だけど?」
「モブだなんてとんでもないわっ。みんなイッちゃんが優勝だって思ってたのよお。あの盛り上がり、自分でも感じてたでしょ? ほんとにムカつくくらい男前だったんだからっ。ね、ヒナちゃん?」
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