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第10話空の頭-白羽-
「はあぁ。疲れたぁ。17:00から21:00まで授業とか病人にやることかよ。
いや、5年間寝てただけだし病人でもねぇか。」
俺はなんで5年間も寝ていたのか分からねぇ。
いや、正確にはなんで事故したのか。
どこで事故したのか。
そこが分からねぇ。
母さんは
私が悪いから、もう思い出させないで。
これの一点張り。
親父もなにも言わない。
なぁ、俺、あんたらの子供なんだよな。
なぁ、俺このままでいいのか。
肝心なことはなんもわかんねぇ。
なんも思い出せねぇ。
お陰にその必要な事はおもい出せねぇくせにその空の容量が無駄なことに使われる。
そう。
俺が今手に持ってるこの数学の教科書とかな。
学力は小6で止まってたが2週間足らずで内容はもう高1に入った。
違う。
そうじゃねぇ。
俺が知りたいのは先に使える知識じゃなくて人間性に関わる記憶なんだよ。
名前とか家族関係とかじゃねぇ。
その先の中身や関係を知りてんだよ。
「くっそぉ‼」
バサァ…。
俺の前に無惨に広がる教科書。
頭の中に出てくるあいつ…。
「おまぇは…誰なんだ…。」
ズキン…
「うぅ…。足が、い…てぇ」
俺が目が覚めてからずっとだ。
最近は痛みがます。
「明日、先生に言うか…。」
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