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第12話 無関心
「…ぃ!…。」
あれ?白羽の声がする。
はは。
本当に僕って未練がましいな。
「ぉい!………おい‼…」
「あ、あれ?し、ろう?」
目を覚ますと僕はベットの上で隣には白羽と白羽が世話になってる医者がいた。
「あれ?っじゃねぇよ‼
ほんとに何度も何度もこっちに来るたんびに吐きやがって。おまけに今日は俺の前でそのまま倒れやがってよ。さすがのこっちも心配するわ!」
「え?白羽の前で…?ごめん全然気づかなかったよ。心配かけてごめんなさい。」
僕は確か泣き崩れてそのまま…。
やっぱりそのあと覚えてない。
「俺が自分の病室の方に行けばお前は泣いてるし、かと思えばしゃがみこんで口からまた吐き出してるし終いには倒れるし。
お前俺より図体でけぇんだから運ぶの苦労すんだけど?
まぁ、それもあと数ヵ月で終わりだけどな」
そっか。僕は倒れたんだ。
ほんと病人はどっちだか…。
「こらこら倒れた彼を運んだのは私だよ。君は黒田 誠君だね。精神科医の榊さんから話は聞いてるよ。
ここのところ、君はまた嘔吐する回数が増えてるみたいだし少し入院することも考えとかないと
いけないから保護者の方にも伝えておくよ」
「そう…です、か…。」
やってしまった。
またお母さんに怒られる。
いや、もう見放されたも同然なんだから
無関心か。
まぁ、なんだっていいか。
これですこしの間、家に帰らなくてすむな。
それを思うだけでも気が楽になる気がした。
「え?先生。こいつがしょっちゅう吐くのってやっぱり病気なの?」
まずい‼
「あぁ、彼は病気じゃなくてストレスだよ。5年前から…」
「あ、白羽は心配しなくていいよ!
僕の家族と色々あってそれからだから‼」
事故が原因なんて言えないし言わせない。
覚えてないならそのままでいい。
これが元で思い出させたら本当にダメだ。
生きていく自信がない。
「そ、そうそう。彼の家族間で色々あったみたいでね詳しくは私も聞かないようにしてるんだ…。」
何とかしのげた…。
先生も気を使って合わせてくれたから本当に感謝する。
「そっか…。俺とおんなじだな……。」
え?
同じって?
あんなに仲良さそうな白羽の家族がそんなはずないのに…。
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