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第15話 また

どうしよう。 結局抜けてきた。 大丈夫かな白羽 手に持ってる紙袋の中は湿布や痛み止の薬。 僕が毎日面会にいってから最近の白羽の様子はおかしかった。 膝押さえて腰にてをあて 痛そうに見えた。 僕にも一度あったけどなんでだっけなぁ。 あ、てかここ病院じゃん、 医者に見てもらう方が早いや なんで必死になってんだろ。 もう会えないのになぁ。 それにおばさんに来るなって言われて 白羽と同じ病院に入院なんて できるわけないじゃん。 結局僕は白羽になにもしてない。 白羽に本当のことも言ってない 思い出してもらってない。 「あぁもう‼」 紙袋を投げつける 「僕はどうしたいんだ。」 思い出してもらいたい。 でも、 辛い思いをさせたくない。 「誠‼」 僕は背後からの声にびっくりした。 だって何年ぶりだろうか。 あの聞きなれた声で僕の名前を呼ぶのは。 僕は涙をこらえて走った。 「あ!ちょっと待てよ‼」 なんで来るんだよ! 何しにきたんだよ! あ、あれ…。め、まい? 目の前が真っ白に…。 「あ、おい!バカだろお前は! 吐いたばっかでフラフラなんだからよ‼」 「なんで追って来るんだよ…。 白羽だって脚痛いんだろ?」 なんで… なんで… 「関係ねぇ!お前が心配なんだよ。 頼むから俺の前で無茶しないでくれよ」 なんでまた僕を助けてくれるんだ… 「もう辞めてくれ‼なんでまた自分のことより僕を助けようとするんだ‼僕はもう嫌なんだよ…。」 「そうだな。俺にも分からない。どうしてこんなにお前の事が気にかかるか。 でも俺はお前が今言った『なんでまた』って言う言葉に何か意味があると思う。」 しまった…。 感情に流されて僕は…。 「なぁ、いい加減おしえてくれないか。 俺が何故事故したのか。お前と俺のことも。」 「言えない。」 「あぁもう‼ なんでだよ‼理由も言えないのか?」 「白羽を傷付けたくないから。」 「へぇ、俺が記憶を取り戻したり事故の真相を聞いたら傷付くと。 俺がそんなことでショックで受けると」 「違う‼そうじゃない‼」 「じゃ、言えるなぁ」 くそっ。こういう運命なのか?俺たちは。 「じゃ、ここじゃない誰も来ないとこにいこう。」 「だったら屋上だな。」 二人で肩を並べてあるいた。 その肩同士には今までより差が縮まっていた。

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