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第2話 特別な日
ツキアイを始めてもう1週間。
お互いにキスしたのが昨日のことだったかのようにまだ僕の唇と頬っぺたは熱かった。
「おい、誠!まだ俺たちツキアイ始めてキス以外何にもしてないからな、デートしようぜ‼」
僕は自分の耳を疑った。
白羽とデート⁉
ツキアイ始めてもう1週間。確かに僕たちは学校でずっと一緒にいるか白羽の家に行ってゲームするかだった。
僕は嬉しくって白羽の誘いに乗って一緒に出かけた。
僕は地に足がついてない気分だった。
言葉のごとく浮かれてた。
そういってデートに行った先は僕が告白した海辺の公園だった。
そ、そうだよね。僕たちはまだ小学生だもんね。1週間公園にいってないもんね。
「なぁ、誠!今日誕生日だろ?俺、母さんにお願いしてさバレーボール買って貰ったんだ!だからこれ誠にあげる!」
そういって手提げ袋から出された、まだビニール袋に包まれている真新しいボール。
僕は今まで自分が生まれたことを祝われた事がない。
自分でも忘れてた。
誰にも言った覚えもない。
担任の先生が教えたのかな?
僕はただ白羽と一緒にいれるだけでも嬉しかったのに。
これをもらったらもう欲張っちゃうよ。
「お、おい泣くなよ。俺は喜んで貰いたかったのにそんなに嫌だったのか?」
僕の頬っぺたにつたう水。
初めて僕は嬉し涙を知った。
「ち、違うよ!これは嬉し涙だよ。嬉しすぎたら出てくるんだ。」
「ははは!それは泣かれたこっちも喜ばねーと。」
「ねぇ、まだ家に帰るのは早いしこのボールでバレーボールしよ!白羽のアタックかっこいいからもっとみたい!」
「しゃぁねぇな!彼氏の腕の魅せ所だな。」
「え、僕は彼女になるの?」
「何言ってんだよ。男なんだから彼氏だろ?」
「そっか。じゃ僕も腕の魅せ所だね」
「お互い彼氏じゃただの競争だな!
あっはは」
そうお互い言いながらいっぱい遊ぶ。
いつもの帰り道もずっと話してて楽しかった。
信号待ちでも話してて青信号で横断歩道を渡る。
「危ねぇ!せいぃ‼」
後ろから今まで聞いたことのない白羽の声が聞こえた。
振り向いた瞬間僕は向かいの歩道側に突き飛ばされた。
バアァン‼
「え、白羽?ちょっと……ずっとそこにいると危ないよ……?ねぇ。どうしたの?手、変な方向いてる。痛くないの?…」
辺りに広がる赤。ベットリとついた赤い液が自分の手を染める。
僕は白羽の手を握ったまま寝ていた。
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