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第5話 こだま
朝、僕は白羽の病室に急いで向かう。
部屋についたら、
いつもたくさん繋がれていた管やコードが白羽から殆ど無くなっていた。
僕は白羽にはもうその必要は無くなってしまったんだと思い大声で白羽を呼んだ。
「白羽‼嫌だ白羽‼お願いだから……。置いていかないで…」
白羽の左手を必死に持って泣いた。
するとベットの腰辺りから軋む音がした。
よく見たら右手には点滴がされていて、僕の握っていた左手が動く。
「白羽‼目が覚めたんだね‼」
そういって僕は白羽に抱きついた。
嬉しかった。
でも抱き締められてる本人からは何も言わない。
そう思った矢先に白羽は口を開いた。
「君は誰ですか?」
あの日と変わらない彼の高い声が僕の頭の中をこだました。
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