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第8話 後輩

数日後、 僕は今日もいつも通り学校にいく。 「おはようございます!」 背後から聞こえる大きな挨拶。 彼はバレーボール部の後輩で僕と同じ小学と中学を卒業している。もちろんこの高校も僕と同じ推薦だ。 彼は小柄で正直高校生には見えない。 顔は違うが容姿はどことなく白羽ににてるかも。 「おはよう遠藤くん。今日も元気だね。」 「当たり前っすよ!なんたって今日はテスト期間最終日っすからね。これで勉強とはさらばっす!」 「まぁ、また期末があるけどね。」 彼はとても分かりやすく項垂れる。 「そんなこと言わないでくださいよ! 今から期末の事なんて考えたくないっす。 そう言えば黒田さん。今日は一段と元気ないっすね。 東堂さんと何かあったんすか?」 遠藤くんは白羽の事を最初に話した後輩。 話しても男と男が恋人同士であることを気持ち悪がられるだけだと思っていた僕は誰にも話せずにいた。 ただ、彼は白羽が事故に遭ってそのトラウマやストレスで部活の時でも吐いてしまうこの僕をいつも心配してくれた。 いや、もちろんストレスに関してはみんな心配してくれた。 ただそれは最初にすぎない、こうも日常茶飯事のように吐かれてたらさすがのみんなも寄ってこない。 これでも吐く回数は減ったんだけどな…。 僕はその優しさに甘えて勇気を出して口に出した。 そしたら彼は 「何でいってくれなかったんすか。黒田さん、事あるごとに嘔吐するから俺滅茶苦茶心配だったんすよ⁉ 黒田さん専用のゲロ袋まで用意して! 別に他人が何を言おうが誰を好きになろうがその人の勝手だ。 黒田さんを庇った東堂さんも黒田さんが好きだから庇ったんすよね? だったら、黒田さんはその分を生きていかないと東堂さんも悲しみます。 こんなところでへこたれてる場合ですか?彼氏なら相手を支えられるように強くなってください。僕もサポートしますから!」 と言った。 僕は自分の事がいっぱいいっぱいで周りを見ていなかった。 悔いることばかりを考える僕を彼は変えてくれた。 もしかしたらそこからかもしれない。 僕が嘔吐する回数が減ったのも。

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