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朝起きて、異様に隣が熱いことに気付いた。
いつもなら俺より早く起きてるけど、今日はそうじゃないし、どうしたんやろって眠ってる宗ちゃんの顔を覗く。
「…真っ赤や」
熱が出てるんやろう。しんどそうに眉間にシワを寄せてて、とりあえず組員さんに伝えようって、ゆっくりベッドから抜けて部屋のドアを開ける。
「あ」
「おはようございます」
ドアを開けたらすぐそこに組員さんがおった。
その人の腕を掴んで中に入れると「ちょ、どうしたんですか」と驚きながらも、宗ちゃんの様子を見ると顔を顰めて「医者呼びます」と部屋を出て行った。
「ん…琴音…」
「おはよう、宗ちゃん」
薄く目を開けた宗ちゃんに近づいて額に触れるとやっぱり熱い。
「熱出てる」
「…体が痛い」
「お医者さん呼んでもらったから、診てもらおうね」
「ん」
寒いのか布団を手繰り寄せて包まる宗ちゃん。
「寒い、死ぬ」
「何処に毛布あるん?」
「知らねえ」
「何でやねん」
またこっそり部屋を出る。
すぐそこにおったさっきの組員さんに「寒いって言うてるから、毛布欲しいです」って伝えたら急いで何処かに取りに行った。
すぐに戻ってきたその人は「医者、すぐにくるんで」と言いながら毛布をくれる。
「ありがとうございます」
「あ、いえ」
部屋に戻って毛布を宗ちゃんに掛けてあげるとマシになったみたいで「あー…琴音、今猛烈にキスしたい」と馬鹿なことを言い出した。
「俺にその風邪移したら怒るで」
「…じゃあ出来ねえな」
「うん、大人しく寝てて」
「ん」
すぐに眠りに落ちた宗ちゃん。
少ししてお医者さんがきて宗ちゃんの事を診てくれる。やっぱり風邪らしくて、熱が高いからって解熱剤を打って、錠剤をいくつか置いて帰っていった。
「そーうーちゃん」
宗ちゃんの隣に寝転んで静かに名前を呼ぶ。
熱が少し下がったようで呼吸が穏やかになっていた。
額に浮いてる汗を濡れたタオルで拭って、整った顔を見つめる。初めて知ったけど、宗ちゃん睫毛長いなぁ。
「早く元気なって」
さっきは出来ないって言うたけど、そっと唇にキスをした。
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