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朝居眠りの二度寝から目を覚まして、また寝て起きてを繰り返してたらもう10時。宗ちゃんはとっくに起きて仕事してるし、俺も起きないとってベッドから体を起こす。 「宗ちゃん」 「あ?」 「起きた」 「ああ、うん。おはよう」 「おはよう」 起き上がって顔を洗いに行って、外に出るわけでもないのに寝癖直すのはもう面倒やし、そのままで部屋に戻り宗ちゃんに飛びつく。 「お腹空いた」 「それより、いきなり抱きつくな、危ないだろ」 「宗ちゃんやったら受け止めてくれるから大丈夫やろ」 宗ちゃんにキスをしたら「やめろ」と恥ずかしそうに顔を背けた。ていうか、やめろってどうなん。 「やめろはないわ」 「…はい」 「せめて今はあかんとかさ」 「悪かったって」 自覚があったみたいで、ちょっと言えばすぐに謝ってきて気まずそうに目を逸らした。 「許したげるから、ケーキ買ってきて。甘いの食べたい」 「わかった」 「昼、一緒に食べよ」 「ああ」 宗ちゃんは俺に対して甘くなった。 宗ちゃんの性格にだんだんと変化が現れて、それを目の当たりにする度に嬉しくなる。 ゆっくり立ち上がって宗ちゃんの顔を覗く。 「庭の所、行っていい?」 「また花を見に行くのか?」 「うん。宗ちゃんも行く?」 無言で立ち上がった宗ちゃん。 ついてきてくれるんや。前やったら絶対、俺が逃げ出さへんようにやろって思ってたけど、今は違う、ただ純粋に一緒におってくれてるんやってわかる。 そういうのがわかってくると、大和への気持ちが薄くなっていく。 やって、あの人は俺やなくて組を選んでんもん。 宗ちゃんやったら、多分、俺を選んでくれる。 やから俺もそれに応えたい。 そんな気持ちは膨れるばかり。

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