28 / 32
12
「クシュッ」
小さなくしゃみの音で目が覚める。
隣を見れば寒いのか琴音が布団を手繰り寄せて小さくなっていた。
昨日も散々激しく抱いた。一応体は綺麗に洗ったけれど、服は着せていなかったから、風邪をひいたら困ると思って、部屋のクローゼットの中に入れていた毛布を出して、琴音を包むように掛けてやる。
俺はさっさと顔を洗い服を着替えて、テレビを見ながら飯を食う。
時間は午前7時。特別早くもない時間。
「ぅ…、む…」
ベッドの方から聞こえる琴音の小さな声。
起きたのか?と思いテレビの音量を1度消して、じーっと動かないでいると、もぞもぞと布団が動いている。
近くによると薄く開いた琴音の目と視線があって、琴音が小さく掠れた声で「おはよう」と独特のイントネーションで言う。
「おはよう。起きれるか?」
「…まだ、寝る」
「わかった」
ベッドの縁に座り、髪を撫でてやるとすぐにまた目を閉じて眠り出す。
まるで小動物を飼っているような気分になった。
俺ももう1度一緒に眠ろうかな…と思うけれど、時間と仕事がそれを許さない。渋々動いて、さっさと残っていた飯を食って、するべき事を開始した。
時計の短い針が10を指す頃、琴音が起きてベッドに座っていた。まだ寝惚けているのかそのまま動かないで、じっと何かを見つめていた。その様子を観察していると不意にへにゃりと笑顔になって「好きぃ」と甘ったるい声で言った。
その"好き"が何に対してなのかはわからない。そしてその後も暫くそのままで居たかと思えば、視線が合って、またさっきと同じように笑顔になる。
「そーうーちゃん」
「何だ」
「こっち。こっち来て」
俺のことを"宗ちゃん"なんて呼ぶのは、本当、こいつくらい。"ちゃん"なんてガラじゃねえし、他の奴に言われたら巫山戯るなって思うけれど、こいつの場合は例外。
だって、そう呼ばれる度に甘やかしてやりたくなるから。
言われた通り、琴音の隣に座ると膝の上に乗ってきた琴音が、腕を俺の首に回し抱き着いてくる。
けれど今の琴音の格好は裸で、背中を撫でるとクスクス笑って「擽ったい」と言うからだんだんとムラムラとした感情が湧いてくる。
「宗ちゃん…眠たいねん…」
「そうか」
「やからな、寝たいんやけどな、宗ちゃんも一緒がええの」
俺の首に顔を埋めてその辺りに何度もキスをしてくるからもう我慢の限界。
琴音の背中に回していた手をそろそろと下ろして、尻の割れ目に指を這わせる。
「ぁ…ん…っ」
「お前が悪い」
「俺、寝たいって言うたのに…」
「これもある意味そうだろ」
割れ目を辿って行き着いた後孔。その周りをクルクルと撫でると焦れったくなった様でゆっくりと腰を動かし「中、入れて」と小さな声でお願いをしてくる。
「舐めて」
撫でていた指を琴音の口の前に持っていけば躊躇いなくそれを口に含み唾液で濡らしていく。
「いい子だな」
「ん…ちゅ、む…」
「もういい」
ゆっくりと指を引き抜けば頼りない銀の糸が垂れる。
それを舐めて切った琴音。
今度こそ後孔に指を突き立て中に入れると、昨日も散々したおかげで難なく飲み込んでいく。
「ぁ…ぁ…」
「すんなり入ったな」
「…昨日も、したから」
「ああ」
「あっ…ぁ…そこ、もっと…触って」
琴音の体がビクッと震えたのを、背中に触れていた手で抑えて中を刺激する。今までならただ解す為だけだったその行為も、琴音相手となると気持ちよくしてやりたいという思いから優しく丁寧にしてやれる。
「ひっ、あ…あー…それ、気持ち…あぅぅ…っ」
「琴音」
「ぁ…ぁむ…ん、ちゅ…ふっ」
キスをして舌を絡め合う。
その度に琴音の後孔はキュウキュウと指を締め付けてくる。
「…はぁ…ンっ…あ、宗ちゃん…」
「何」
「も、もう、入るよ…やから、ちょうだい…」
その強請り方が可愛くて、もう1度キスをして、ゆっくりと中から指を抜いた。
ともだちにシェアしよう!