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出会いは少女マンガのようなものではなく3

ぴき、と鷲野の額に青筋が走る。 (あー...やっちゃった) 鷲野は怒らせると面倒だ。このままでは体育館裏に連れていかれるかも...それは嫌だ、と鼓は平謝りをした。 その謝り方も癪に障るのか鷲野は鼓の机を蹴飛ばした。幸い、窓際の席だったため机は転がることなく壁にぶつかっただけだった。 「ふざけんな...ド底辺が。俺に指図するな」 「.........怒るのって、本当のこと言われて図星だからって聞いたこと、あるんだけど」 「―!」 鷲野が鼓のシャツの襟首を引っ張りあげる。鷲野の目は血走り、殺気立っていた。その目を、鼓は睨みつける。 「授業始めるぞー」 教室が修羅場となるすんでのところで、先生が入って来た。鷲野は慌てて鼓から離れ逃げる。鼓もまた、乱れた襟首を直し何もなかったかのように1時間目を過ごした。 そうして、2時間目、3時間目と終わっていき昼になった。 食堂にて。 鼓は同世代の男子生徒と比べて痩せている。だが、人は見かけによらないもので、鼓は食べろと言われればいくらでも食べる。痩せの大食いというやつだ。 「...今日は、お腹いっぱい食べたいな」 メニュー眺めながら、鼓は財布からカードを取り出す。夢ノ内では、成績優秀者に限り学食がタダになる。よく食べる鼓にとっては好都合だ。 (お昼とかあんまり食べないけど...やけ食いしちゃお。イライラしてるし。どれもこれも鷲野のせいだ) 「えっと。...唐揚げ定食と、うどんと、カレーと......あ、イチゴの砂糖がけと、あと、ハンバーグ単品......」 ぴ、ぴ、ぴ...テンポよく押されていくボタン。基本的には学食は1つ300円〜600円程度だが、それが積み重なればかなりの金額になっていく。 全ての食券が出てくる頃には、料金は2000円を超えていた。しかし、鼓は気にかけることもなくカードをかざした。

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