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出会いから数時間後1

関わらない!そう鼓が決断し、ストーカーされてても無視すればいいやと安直な考えに至った数時間後―。 夢ノ内は全寮制のため、授業後は敷地内の「かぐら荘」「ひめみや荘」「みやび荘」に帰るのが原則だ。 鼓も例外ではなく、寮に帰る。 「荘」なのだがどれもハイクラスの部屋ばかりで、部屋数も多く、総生徒1000人を超える生徒が入ろうとも部屋がまだ余るほどだ。 配色や内装にも拘っており、料理はもちろん五つ星ホテル顔負けの料理人が作っている。 ただ、「荘」によって「高級層」も違っている。「かぐら荘」は庶民と比べて年収はやはり多いが、「ひめみや荘」の生徒と比べて低いもの。「ひめみや荘」は社長や御曹司の息子が入るべくして入るところ。 そして「みやび荘」に入居出来るのは、極わずかな人のみだ。 (氷川先輩はきっと...みやび荘なんだろうなぁ) 鼓は「かぐら荘」で生活しているため、みやび荘の暮らしなど皆目見当もつかない。 かぐら荘ですらなかなかな好設備、みやび荘はなにがあるんだと好奇心半分、知らなくてもいいやという気持ち半分といったところだ。 鼓が無駄に装飾されたエレベーターに乗ると...なぜか後ろにいた生徒たちは入ろうとしない。鼓1人だけエレベーターに乗った。 (堂々と避けられるのも...腹立つ) 鼓の部屋は最上階だ。 理事長を手篭めにしたとき、なぜか最上階にされてしまったのだ。「特別」が嫌いな鼓は反発したが...受理されることなく、結局1番上になった。 (ほかの階にいたらそれはそれで...避けられるんだろうけどね) エレベーターが最上階に到着し、鼓が降りると同時にエレベーターも降下した。 (どうせ下に人が集まってて2回分くらいに分けないと乗れないくせに。ばかじゃないの) 701の部屋の鍵を取り出し差し込む。 鼓は夕方に差し掛かる部屋の電気を押した。 かぐら荘のみ、2人1部屋のため、リビングにはいると左右両方に部屋がある。鼓は右の部屋を使用しているが、大体はリビングに置かれたふっかふかなマットの上で寝落ちしていることが多い。 「ただいまー」 誰にいうでもなく鼓が言う。ちなみに、鼓の部屋は一人部屋になっていて、未だ同居者はいない。 「おかえりー」 (...え?)

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