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お見合い会場に侵入者2

じゃあご飯作っちゃいますねと鼓はアイランドキッチンに立った。 (何作ろう。青椒肉絲(チンジャオロースー)?うーん、男2人だし中華鍋2かな。でも1つだと味気ないし、ふかひれスープか...それとも、和食系にしようかな) 袖を捲りながら、鼓は怖いほど大量の晩飯を考えていた。中華鍋を2つ、大きめのパスタ鍋を1つ、戸棚から取り出す。そしてなぜあるのか、業務用の馬鹿でかい冷蔵庫(冷凍庫)から食材を出した。その背後に近づく、遼介。 「先輩邪魔です」 「つーくんと一緒に暮らせることになるなんて...まさかつーくんの手料理を食べれることになるだなんて…ああ最高…ストーカーしてて良かった...」 ブツブツと独り言を呟き続ける。鼓が退いてといっても聞く耳を持たなかった。 「ご飯作りにくい…」 まな板で牛肉とピーマン、パプリカ、たけのこが細切りにされていく。ついでにフライパンをIHコンロにかけた。 「聞くの忘れてましたが、嫌いなものあります?」 「好き嫌いはしないよ」 片栗粉を水で溶かし、温まったフライパンに切った食材、水溶き片栗粉、市販の青椒肉絲の元を入れる。 火を通している間に、パスタ鍋に水を入れ.........フカヒレを取り出した。 「それ、どこ経由?」 「ふかひれですか?...まぁ、ちょっと」 フカヒレは、鮫のヒレだ。そう簡単に手に入るものではない…はずだ。 「へぇ...こうやってご飯って出来ていくんだ...」 (もしかして、邪魔しに来たんじゃなくて料理するところ興味があったのかな) とんとんとん、とフカヒレが切られていく。 「でん、と乗せないの?」 「なににですか...ああ、大きくて食べづらいので細切りにしてるんです」 食べやすいですよと鼓は振り返って微笑み、遼介をノックアウトする。余程効いたのか大人しくソファーに戻った。 「…ってかつーくんどんだけ作るの?」 「え、夜ご飯分ですけど」 夜ご飯分が、青椒肉絲―中華鍋2杯分と、大きめのパスタ鍋―なみなみと注がれたふかひれスープ。 遼介は頬が引くつくのを感じた。

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