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お見合い会場に侵入者6

「氷川遼介先輩?!」 相手は遼介を知っているらしく、遼介を見た途端目を見開きあんぐりと口を開けた。それを見ている鼓はやはり遼介は有名人なのだと実感する。 「先輩どうしてここに」 「なんでだと、思う?」 鼓は未だ口を塞がれたままで、さらに言うと遼介の腕の中に閉じ込められている。 (なんか、頭に頬ずりされている気がするんだけど) その鼓は、後から冷気を感じた。放っているのは、多分、遼介。 「ねぇ、なんでだと、思う?」 「そ、そんなの......分からない、です」 「分からない、じゃなくてさ。なんでだと思う?考えたら分かることだよ」 同じ質問を繰り返す遼介に、相手は酷く怯え震える。その光景を見て鼓はだんだんと頭が冷静になっていくのを感じた。 (こんな小さいヤツに、俺、なんで怒鳴っちゃったんだろう。そんなことしなければ、先輩の手を煩わせずに済んだのに) 鼓がもういいです、という意味を込めて遼介の手を叩くも当の本人は鼓に優しく微笑むだけ。 「あ、わかりました」 少しすると相手はやっとわかったとばかりに安心し、下卑た笑いを浮かべる。 「―涼川を、懲らしめに来たんですね」 ((...正真正銘の、馬鹿だ)) 鼓と遼介は、全く同じことを思った。 (こんなに馬鹿だと思ってなかった。本当にこいつ、高校生かな。懲らしめるつもりだったらいまこの場に出てきて俺のこと目の前でヤってるでしょ、触らないでしょ、抱きかかえないでしょ) 「ハズレ」 遼介も呆れたように深い...とても深いため息をついた。鼓は怒る気力もなくなり事の顛末を遼介を任せることにした。 「はずれた君には―この学校から消えてもらうよ」 ―事の顛末を、遼介に任せられなくなった。 「んんん?!(なんで?!)」 バタバタと暴れる鼓を遼介は強く抱き締め動きを封じる。暴れないの〜などと軽口を叩きながら。 「だってつーくんに嫌がらせしたのこいつだもん。 いっそ死刑にしたいくらいなのに、学校から追い出すだけなんだからそれくらいで済んで良かったと思ってほしい程だよ、まったく」 勝手な持論を展開し、相手も固まってしまっている。鼓は訳が分からず困惑していた。 (何言ってるのこの人、権力使ってするのが俺に嫌がらせした人を消すこと?なんで) 鼓はまたもや暴れるが遼介に押さえつけられる。 「こ〜ら〜、もう、暴れないの!つーくんに害があるはぜんぶ消してあげるから、ね?」 (なんでそんなこと、してくれるの)

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