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土曜日と日曜日と月曜日のお話5
「つーくん、そういや俺まだ自己紹介してなかったよね?」
リビングでいつの間にか買われていたソファーに座っていると、遼介がニコニコと話しかけてくる。
さっきまで真剣に鼓と話していたのが嘘のようだ。
そして今更の自己紹介。しかし実際にはそうなのだ、二人はまだ出会って数時間。鼓は集会にあまり顔を出さなかったため遼介-生徒会長の顔はうろ覚えだし、遼介は一方的に鼓のことを知っているしでなにがなにやら。
だが鼓はだいたい知ってるからいいですと非常にも断る。
「そんなこと言わないで?ね?なんでも質問してきていいから。お願いします」
「名前知ってればそれでよくないですか?」
「よくない。俺の名前知らない時にストーカーさんって呼ぼうとしたり、クラスメイトAとかって呼ばれたりそんなの嫌だよ」
(なぜ知っている)
「呼びませんよ」
「お願いだから」
あまりに懇願する姿に根負けし、鼓は適当に好きなものは?と聞いた。
「つーくん」
(予想はしてた)
「食べ物で」
「つーくんの作ったもの」
(...予想はしてた)
「好きなブランド」
「つーくんが買ってるブランド」
(......そんな気はしてたっ)
好きな物系は全て自分経由のもので答えられると察し、質問の趣向を変える。
「身長は」
「189cm」
「体重は」
「67...?多分68kg」
「誕じょ...やっぱいいです」
「10/17。お祝いしてね」
(だから聞きたくなかったのに、なんで言っちゃうかな)
鼓は人の誕生日を忘れやすい。自分の誕生日ですら、言われなければ忘れてしまうほどだ。
「...くらい、ですね」
「え、それだけ?!もっとあるでしょ、俺がつーくんにしたみたいに」
「そんなに思いつきませんよ......」
「俺ができたならつーくんも出来る」
(無茶をいうな)
天井を向き、んんーと質問を考える。が、鼓はすぐ白旗を挙げた。
「無理です...」
「じゃあ俺が勝手に喋るね。好きなものはつーくん、嫌いなものはつーくんに害があるもの。いま欲しいものはつーくんの体操服です。あ、汗かいた後のものが良き。
好きな食べ物はつーくんの手料理で、だし巻き玉子作って欲しいと思ってます。嫌いな食べ物は特になし。あってもつーくんが作ってくれたものなら死んでも食べるよ。
趣味はつーくんのストーカー。あと、アルバムを作ること」
これ以上喋ると止まらないからやめるね、と遼介は口の前に×を作って黙った。いまですら喋りすぎなのにもっとしゃべるのかと鼓は若干引き気味だ。
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