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土曜日と日曜日と月曜日のお話15

(見た目的に胡散臭い) 遼介といることで控えられていた腹黒が、再び顔を出す。 入ってきた鍵屋に、鼓はお願いしますと頭を下げた。 「どの部屋に鍵をお付けしたらよろしいですか?」 「えっと、そっちの部屋で......あ、先輩部屋出ててください」 鍵屋を案内しようと行く後に遼介が張り付こうとするが、その言葉で動きが止まる。 「...え、なんで?」 「一緒に居たら鍵番号覚えますよね?合鍵作られてはいられても困りますし...」 「覚えないよさすがに!どうせならピッキングの方がスリルがあって好...」 沈黙が流れる。 (...変態。入ってくるなら堂々と入ってきてよ) 「すいません、あっちの部屋には南京錠を―」 「わかったから!口出ししないし部屋出るからそれだけはお許しを!」 バタバタッと遼介は部屋を飛び出して行った。 鼓には頭が上がらない。それでなくても、ストーカー行為を容認してくれただけで嬉しいのだから。 鼓が胡散臭いと思ったように、その鍵屋は媚へつらった笑を貼り付け、ジロジロと鼓を眺めニヤついている。 (本当に鍵屋?眺め屋じゃなくて?) 「鍵、これでお願いします」 遼介の紹介の手前、あまり手荒なことも出来ずその視線を無視することしか出来ない。そのため鼓はおとなしく手渡された鍵のサンプル本から選び伝えた。 「わかりました。では、先に代金を頂きたいのですが」 (先払い制なんだ。見合った仕事をしてくれたら払おうと思ってたのに) そういう仕組みなら仕方がない、と鼓は部屋にあるカバンから財布を取りに行こうと鍵屋に背を向けた。 その瞬間、鼓は大きくよろめき倒れた。だが、ただ単に倒れた訳ではない。 鍵屋が、鼓の背を押し部屋に突き飛ばしたのだ。 「.........なにを」 「いーえ?鍵を今から取り付けさせて頂くだけですよ...内からは私が持っているマスターキーでしか開けられない鍵を、ね」 はぁあああ...と鼓ほ長いため息をついた。 (....先輩.....恨んでやる。変な鍵屋紹介して......)

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