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土曜日と日曜日と月曜日のお話30
嬉しそうな遼介に、言ってよかったなぁと謎の達成感を覚えた。
「付き合って、くれるんだ?」
「...はい」
「じゃあ!付き合った証として―指輪を受け取ってください」
「ゆ、びわ?!」
はぁ?!と鼓は思わず目をひんむいて声を荒らげてしまった。
(何言ってるのこの人、指輪?え?!)
ワタワタする鼓の手を、遼介はそっと握りこつんと額と額を合わせた。身長差が20cm以上ある2人だ、遼介が屈んでいる。
「一生を俺と過ごしてください。死ぬ時まで、いや…死んだあともずっと一緒にいて。死にたい時は俺を殺していって。絶対に離さないで。ずっと俺のものでいて。
重い…かな」
(…わぁ)
鼓の頬がだらしなく、緩んだ。
「重く…ない。嬉しい」
「束縛するよ、ごめんね?」
「...大丈夫……好き」
手を離し遼介の目元の涙を拭う。お礼と言わんばかりに遼介は鼓の髪を梳いた。
(こんな…嬉しいこと、ある?)
幸せそうな2人。馬鹿たちはごねる1人を引っ張りながらおじゃま虫は消えよう...と2人の前から消えた。
場は弁える性分らしい。
「大丈夫、誰に何を言われようと離さないし離れないよ」
「はい…」
「明日は結婚式だからね」
「うん…………うん?!早くないですか?!」
(急すぎだろ?!)
また目をひんむくのを無視し、遼介は懐からマジックのように黒い箱を取り出しパカッと開けた。
左手を取りさりげなく薬指に嵌める。この間約3秒。
「あ...指輪ありがとうござ、いま……す?」
指輪についている石が、ダイヤモンドがでかい。
(いやいや、何カラットなのこれ。)
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