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発言禁止令3

(...どういうこと) 反応のしようがない状態で、鼓は引っ張られながらソファーに座った。隣に遼介が堂々と座る。隆盛と詩帆はラグの上に座っていた。 「紹介するね?左が柴 隆盛。小学生の頃からの腐れ縁だよ」 話が纏まったようで(詩帆はどういう経緯があったのか全く予想できないが)、遼介は鼓に2人の紹介をし始めた。 「はじめまして、涼川くん。柴 隆盛だ。横にいるのはガムテープの塊だと思ってくれ」 隆盛が頭を下げる。隆盛も、常識人ではなかったようだ...。 「で、右が...変態涎鼻血垂れ流しお「んんんんんんんん!」...野沢 詩帆。注意するべき点は変態っていうこと」 気をつけてね?と遼介は鼓の頭を撫でた。詩帆は依然として拘束されたままだ。 「気をつけてねって......ってかなんであの先輩はぐるぐる巻きにされてるんですか?」 「変態だから」 疑問を口にすると予想と反した答えが帰ってくる。 「まともな答えをください!」 ん〜...と遼介は一瞬考え込み、そして、ぽんと手を叩いた。 「あまりにも変態過ぎたから」 「.........ア、ハイ、ソウデスカ」 まともな返答が期待出来ないと判断したのか、鼓は諦めの姿勢を取った。 ついでに、脇の下に手を入れられてちゃっかり膝の上に移動されたことも見切りをつけていた。 「今週末、俺五日間自宅に戻らなきゃいけないからさ。2人はその間の護衛ね」 紹介した理由をこともなさげにこぼす。さすがの鼓も目を剥いた。護衛など、誰かって驚いてしまうだろう。 「五日もいないんですかっ?」 そこか、そこなのか、驚くべきところは。.........やはり、鼓である。 「あ、驚くとこそこなんだね」 遼介も笑っている。 やっぱりつーくんは俺のことを1番に考えてくれてる、天使だね。と惚気ける遼介を置いておき、鼓はむぅ...とまた悩んだ。 (付き合って間もないのに、いきなり遠距離...?さ、寂しいとか…ちょっと思ってるけど…) 「付き合って間もないのに、いきなり遠距離...?さ、寂しいとか…ちょっと思ってるけど...」 「…え?」 「どう?当たってた?」 遼介は完璧に鼓のこころのなかを、一言一句、果ては三点リーダーの位置まで全て読み取った。 当てられた鼓は、今度こそは引いたのか――否、引いてなどいなかった。顔を赤らめ、こう思っている。 (心読み取れるとか、愛のなせる技的な?...って、言ってる事恥ずいけど) ここに常識人はいるのだろうか。

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