86 / 437

発言禁止令 4

非常識人3+変態1で話は進められていく。 「なんで5日も…」 「ごめんね?家の用事と、もう高3なんだからってことでお得意さんに紹介されるらしいんだ」 (お得意さん...?) なんの、と考えることは無かった。氷川グループの"お得意さん"だろうと直ぐにわかったからだ。 (そう言えば…パーティーがあるって言ってたよね。やっぱり、お得意さんってことは自分の娘を紹介したりとかも...) そう考えて、鼓は気分が悪くなり遼介を見た。 「……........................」 「......あ、の?つーくん?なんで睨んでるんでしょうか?」 鼓は、じっと遼介の目を見つめて、と言うよりかは、鋭く()めつけていた。 遼介は初めて見たその姿に戸惑い、なにかしてしまったかと慌てている。 「浮気、しないで下さい」 ぼそっと言った言葉に、遼介は膝の上の天使(つーくん)の頭を撫でた。 「しないよ、神に誓って」 遼介は胸元で十字を切った。 その光景に隆盛と詩帆は驚いていた。言っては悪いが、遼介の女癖が悪いのは何年か前から知っていたことだ。 それが、浮気しないだと?浮気性で本気になったことなどない、二股三股など恐ろしい噂を出し、いつか女に刺されるのではと2人でひやひやしていた、あの遼介なのか? ありえない、と2人は驚愕の表情を浮かべていた。 「浮気したら、俺の息子切り取ってもいいよ。心配なら、盗聴器つける?つーくんのためなら、何だってするよ?」 「...」 そして、2人は同時に思った。 ―遼介の愛が重すぎる、と。 このままでは遼介の一方的な愛に潰されて別れてしまうのではないか、という杞憂は一瞬にして消しさられた。 「約束、ですよ?」 鼓が引くことなくそれを呑んだからだ。 普通は「そこまでしなくても大丈夫ですから」と引き気味に言うところを、鼓はにこやかに答えるのだ、会話についていけない。 「盗聴器はいいですけど...うーん…俺、携帯持ってないですし。連絡方法が欲しいです」 そう、鼓は携帯を所持していない。というか、持っていたがのだ。 どうしたものかと首を傾げる鼓。遼介はポケットから携帯を取り出して 「つーくん好きな色は白色だよね?」 「?はい」 「エロい。俺色に染めれる...最高」 変態発言をしてからどこかへ電話をかけた。 「もしもーし?えっと、○○会社の最新機種の携帯電話、今すぐ持ってきて。10分以内ね」

ともだちにシェアしよう!