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貞○帯でもつけますか? 2
腹に手を回し、ぐっと抱き寄せる。ちょうど鼓の耳のあたりに遼介の口が来るような構図になった。
「今は、いや、今からもこれからも俺はつーくんのものだよ」
「...」
「ね、つーくん見て?」
遼介は自分の携帯を鼓の見える位置に持ち上げ、電話帳を開いた。そこには、母親、父親、八九座、鼓しか登録されていない。
メールの宛先に至っては鼓以外は登録されていなかった。
「...だれも、登録してない?」
「そうだよ、全部切った。つーくんに一目惚れしたその時から、一切そういうことはしてない」
はい、と渡された携帯。見ていいよと遼介が言うと、すぐにメールのゴミ箱一覧を覗いた。
(何も無い)
次に、電話の履歴。先程携帯会社に電話した履歴と、鼓が電話した履歴しか残っていない。
(ボロがひとつも出ない。むしろ変だ)
「画像は開いてもいいですか?」
「.........」
すっ、と視線を逸らす遼介。
(やっぱり、少しくらい証拠残ってるか)
女の人との写真でも詰め込まれてるのかもなぁ、と面白くなさそうに鼓は画像フォルダを開いた。
「............」
「..............................」
大量の、鼓の寝顔写真である。
(いや、ちょ、多…ほぼ同じ角度だし、何枚撮ってるのこれ……あ、動画まである!)
静かに驚く鼓に、冷や汗をかく遼介。
流石にやりすぎで引かれるかもしれない、と顔を青くさせているが......鼓が引くなどありえないのだ。
「夜のうちに、撮ってるんですか?」
「...はいそうです」
浮気のバレた亭主の如く、白状する。
鼓の部屋には、きちんとした鍵がこの間取り付けられた。にも関わらず、写真は最近のものである。
ということは
「勝手に合鍵、作りましたね?」
「ごめんなさい...で、でも!服は盗ん、拝借してないから!」
(余計に怪しい!)
振り返って遼介の目をじっと見る。ああ怒られる...と覚悟したその瞬間。
「夜はちゃんと寝てください」
鼓から出たのは、心配だった。
「一緒に居れて嬉しいのは分かるんですけど、先輩が倒れる姿とか俺見たくないですよ」
「つーくん...」
感激しすぎで目が潤む。鼓がね?と言うと、遼介はちゃんと寝ます...と素直になった。
鼓が遼介にドン引きすることなど、絶対にありえないのだ。
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