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氷点下ブリザード 3

―氷川先輩がお家に帰られたんだって ―今度は柴先輩と野沢先輩を手篭めにしたのかよ ―ありえねぇ、生徒会長がいるってのに ―やっぱ嘘だったんじゃねぇの?2人が付き合ってるなんて ―この前のだって... 「なにこれ...前より超陰湿じゃん」 詩帆が辺りを見回しながら言う。 遼介が鼓と登校することで収まっていた野次馬の声も、一時的なもので、鼓が詩帆や隆盛と登校すると再開された。 「そうですね」 「君は馴れてるんだな」 「前の状態に戻っただけです」 「くっそ!一言言ってきてやりたい!」 詩帆は地団駄を踏み悔しそうに呻く。普段なら堂々と文句を言いに行く詩帆だが、今回はそうもいかない。 遼介曰く。「言わせたい奴は言わせておいて。つーくんの悪口言う奴はどうなるか分からせてやらないといけないから」らしい。 「これじゃ護衛の意味ないじゃん!」 「まぁ、俺たちは涼川くんにから護るだけだからな」 「精神的なものはどうなるの!」 「遼介がどうにかする」 「......あ、そうだね」 納得したようだ。 悪意のある言葉と視線を掻い潜りようやく靴箱に辿り着いた。 「柴先輩、野沢先輩、離れててください」 ロッカータイプの靴箱。鼓はそれに手をかけて2人を退けさせた。 遼介が居ないことで前と同じような状態になるのであれば、ロッカーも前に戻っている可能性があるのだ。 「え?どうしたの?」 「見てれば分かりますよ」 くすっと儚げに笑い、カタンッとロッカーを開ける。 バサバサと音を立てて流れ出てきたのは、大量の紙切れだった。それも、どれもこれもに悪口が書かれたもの。 「...こ、れは.........」 「うわ......」 中には「別れろ」だの「脅したくせに」だの2人に向けたものもあった。 思わず言葉を詰まらせる先輩2人に、鼓は。 (...クソ共。媚びることしか出来ない能無しの癖にいい気になってんなよ。馬鹿が) 腹黒さが復活しつつあった。

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