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氷点下ブリザード 9
『To 氷川 遼介
件名 何してる?
授業、かな?今から日本史の授業だよね、頑張って。p(*≧ω≦)/ ファイト~!!
とは言ってもつーくんは賢いから大丈夫かな(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋
実は俺日本史少し苦手なんだ。普通に興味ないのと、歴史自体好きじゃないのと2つ。つーくんはどう( 'ω')?
あ、そう言えば嫌がらせとかはない?大丈夫?俺がいなくなった途端に嫌がらせしてくる奴とかいっぱいいそう......大変だったらすぐにメールしてね?飛んでいくから!( *˙ω˙*)و グッ!
つーくんより大事なものなんてないんだよ。家の用事より、両親の言うことより、取引先の話より、何よりつーくんが大事。
寮に帰ってきたらすぐに抱きしめてあげるから。寂しかったら電話もしてきていいよ(´∀`)
...んー、でもつーくんは電話するとさらに寂しくなるんだっけ。俺はつーくんの声聞きたいけど...つーくんの意見を尊重するよ.。゚+.(*''*)゚+.
そう言えば、こっちの料理は不味いんだ。つーくんの料理が恋しいよ...(ू˃̣̣̣̣̣̣︿˂̣̣̣̣̣̣ ू)やっぱりつーくんの料理が世界一美味しい!
そうだ!つーくんはお土産いる?食べ物でも物でも何でも持って帰るけど。
それとね―』
「長すぎるっっ!!!」
ザワッ...
遼介からのメールのあまりの長さに叫ぶと、周りが一気にざわついた。
「す、涼川...?どうした」
はっ...と前を見ると教師は既に教卓に付いており、怪訝そうな顔で鼓を伺っている。
羞恥で顔が真っ赤になる鼓。
「あ、っ......すみません、なんでもないです」
「そうか...?じゃあ授業を始めるぞ」
(先輩...許さないっ)
鼓が驚く理由は、昨日までメールが短めで数件送ってきていたからだ。
こそっ、と携帯を見るとメールはまだまだ続いており、あと十数行はあった。
(な、長い...)
異常な長さである。
そして最後にはやはりと言うべきか。
『つーくん大好きだよ、愛してるから』
「〜〜〜っ」
よく恥ずかしげもなくそんなこと言えるものだ。ふぅと顔の赤みを取るために鼓が息をつくと、メールがもう一見届いたことを告げるランプがつく。
「?」
『TO 氷川 遼介
件名 なし
つーくん顔真っ赤で可愛いねぇ(●´ω`●)』
(?!)
声にならない悲鳴をあげぐるっと周りを見渡した。当たり前だが、遼介はいなかった。
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