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今夜は一人だ、け...だか、ら? 2
「ぎゃああぁああああぁあぁあぁあっっっ」
まだ身体中泡だらけの状態で、鼓は遼介に風呂桶を投げつけた―。
遼介に言われて鼓は風呂に入ることにした。
そして洗面所に入った時から感じていた寒気。
それは服を脱ぎ始めた辺りで始まった。
(風邪、じゃないんだけど...)
服を一枚脱ぐ事に強まる視線。
(なんか、そこに先輩がいるような気がする...)
何度も振り返るもののそこにはもちろん何も無い。
...カメラはあるが。
さすがに風呂場にまで設置されていないだろうと踏んでいるため、寒気も気のせいだと服を脱いでいく。
「っ」
が、下着1枚になった時。先程と比べ物にならないくらいの視線を感じ、鼓はぞわぁ...と鳥肌を立たせた。
(やっぱり先輩いる?でも今は家の方にいるはずだから......も、しかして...幽霊?いやだ、消え失せろっ!)
幽霊が怖いにも関わらず腹黒、否、強がりな鼓だ。
風呂場に入るとある程度収まった視線。だが今度はリビングの方からカタカタと物音が聞こえるうになった。
(早く、早く風呂出て寝よう。寝て全部忘れよう)
顔の青ざめた鼓はそう決意し、早急に手を動かす。
どんなに科学の成績が良くてもリアリストとは限らないらしい。
―ガタッ
「うわっ?!」
今までで1番大きな音がリビングで鳴ると鼓はシャワーヘッドを落としてしまい、その音にも驚き声を上げてしまう。
するとその声に反応するかのように何かが走る音が廊下に響く。
鼓はもう顔面蒼白で震え、だが、手に握りしめた風呂桶を握りしめ臨戦態勢を取っていた。
そして何かが風呂場のドアを開けた途端―
「つーくんどうしっ...」
「ぎゃああぁああああぁあぁあぁあっっっ」
まだ身体中泡だらけの状態で、鼓は遼介に風呂桶を投げつけた―。
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