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帰ってきた理由 と 変態
結局、2人は別々に風呂に入った(遼介は渋々ながら)。
後から風呂に入った遼介を、鼓は出てきた途端早速問い詰める。
「さっきも言った通り盗聴器忘れてきたからだよ」
「それ、本気で言ってたんですね...」
「え、嘘だと思ってたの?」
心外だなぁ、と遼介は心にも思ってないことをいい、微笑みながら鼓を抱き締めた。そのままソファーに運び向かいあわせで座る。
「つーくんの匂い......はぁ.........」
(変態)
変態だと思いながらも抵抗しないのもまぁまぁおかしいと思うのだが。
「盗聴器のこともあるんだけど...つーくん不足で...もう死にそうで......親にも死人みたいだって言われて...我慢出来そうになくて帰ってきちゃった...」
所々途切れているのはその度に鼓の匂いを嗅いでいるからだ。鼓はそれに対して、こそばゆい程度しか思っていない。
「そうなんですか。でも、帰ってきて良かったんですか?」
「.........携帯、うるさいから電源落としてる」
(あ、ダメなんだ)
遼介が首筋に鼻面を埋めると、鼓は頭を数度撫でた。
「よく頑張ってますね...よしよし」
「つーくん.....もっとして」
大きな子供みたいで可愛いなとくすくす笑う。
「でも、ちゃんと仕事?業務?しないと。明日からは帰ってきちゃっダメですからね」
「うん......」
「そう言えば、いつ帰ってきたんですか?」
「つーくんが帰ってくる頃には自分の部屋にいたよ。つーくんそのまま寝そうだったから、メールして、風呂上がってリビングに戻ったら俺がいるっていうドッキリしようとしたんだけど。風呂場からつーくんの「うわっ?!」って声聞こえて慌てていったらああなった」
「その節はすみませんでした...。シャワーヘッド落としてびっくりしたんです」
(だって居るなんて思ってなかったし。幽霊かと思ったんだもん)
鼓は幽霊系はもちろんのこと、ドッキリ系も苦手だ。
鼓を脅かすと倍で返ってきそうだな、と遼介は次からやめようと決意したのだった。
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