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死活問題 1
「さて、つーくん寝よっか。俺、ちょっと早めに出るから」
「じゃあ寝ましょう。おやすみなさい」
「つーくん待って。俺も一緒に寝るから」
呼び止め平然とそんなことを言ってのけるため、鼓は一瞬呆けてしまった。
「え?」
「今日も一緒に寝ようね」
「............?今日も?」
(もしかしなくても、夜中は寝室に入ってきてるな、これ。一回寝たら俺起きないし)
じっ...と遼介を見ていると、ふいと視線が逸らされた。逸らされた先に顔を持っていくとさらにまた逸らす。
少しの間無音の奮闘が行われ、折れたのは遼介だった。惚れたものの弱みと言うべきか、遼介は鼓の視線に弱いらしい。
「すみませんでした...夜中にこっそりベッドに潜り込みました」
「言ってくれたら一緒に寝ま「ほんとに?!ありがとうございます神様仏様鼓様!」...興奮しすぎ」
思わず苦笑してしまった。
寝るために歯を磨きながら鼓が聞く。
「いつも入って来てるんですか?」
「いふもってはけひゃないんらよ」
「????」
「ひょっとまっひぇ」
「歯磨き粉吐き出してから喋ってください」
「んぐ...ぺっ......いつもって訳じゃないんだよ。いつもは...なんでもない」
(そこで切られると気になるんだけど)
歯磨き粉を吐き出した遼介を、再び鼓は穴が開くほど見つめた。遼介は居心地悪そうに頬を掻く。
「流石にこれは引くかも」
「内容による...というより、俺が先輩のやってきたことで引いた事ありますか?」
「ない、ね」
鼓のその言葉に、安心したかのように微笑みを浮かべ、遼介は付いてきてと鼓を自室へ促した。
これ、使ってると自室で鼓に突き出されたのは
「俺の写真のプリントされた、枕...?」
「そう、枕。あ、いやらしい事はしてません!」
身の潔白を示すために言い、遼介は手を突き出し左右に振った。すると鼓の目が昏く光る。
「寧ろ余計に怪しくなりました」
「俺は無実!」
「......いぇーい、抜き打ちゴミ箱ベッド下チェック〜〜」
「つーくんやめて!やめて〜!!!」
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