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対抗抵抗大会 1
それはどう意味ですか、と鼓が聞く前に後方から詩帆の驚く声が聞こえ2人して振り返った。
「なんでいるの?!」
「じゃあねつーくん、何かあったらぜっっっっっっ...たい言うんだよ?」
「無視?!」
「ああ、おはよう鼻血おばけ」
「まだそのネタ引きずるかコノヤロー!」
鼓に手を振り、詩帆は無視して遼介は車に乗車する。微かに笑い鼓はそれを見送った。
「鼓くんあれどういうこと?!」
「昨日、寂しすぎで帰ってきちゃったって部屋に居たんです。あと、部屋の盗聴器の忘れたって」
「.......ええ.....うわ、引く。さすがに引く。しかも堂々と本人の前で盗聴器忘れたって言ってる時点でおかしい。鼓くん嫌な時は嫌っていいなよ?」
「別に嫌じゃないです」
「えぇえ〜〜?」
ほんとかな、と疑り深い目で詩帆は鼓をじっと見る。この反応が普通なのだ。
後から隆盛も来て、遼介のことを詩帆が話すとため息をひとつ零した。
「まぁ......仕方がない」
「隆盛はあの暴挙許せるの?」
「許すも何も、涼川くんはそれが大丈夫だと言っているからな」
「そうだけど〜」
周りの視線を諸共しない鼓は平然としていて、普通に学校まで歩いている。と、鼓の携帯にメールが届いた。
『つーくん...寂しいよ(´༎ຶ༎ຶ)』
もちろん、遼介からなのだが。先程別れたはずなのにもう寂しいと言い、そしてこの顔文字。
「ぇ...気持ちわる」
思わず鼓はそう口にしてしまった。それを勘違いした詩帆が目を見開いて
「鼓くん?!俺の口調そんなに気持ち悪かった?!」
「そういう訳じゃ、」
再度送られてきたメールはさらに気持ち悪いことになっていた。
『(´༎ຶ༎ຶ)
(´༎ຶ༎ຶ)
(´༎ຶ༎ຶ)
(´༎ຶ༎ຶ)
(´༎ຶ༎ຶ)』
「あ、...気持ちわる...」
「ひ、ひどい...鼓くんもとうとう遼介に侵されて...」
「犯されてません!」
「待って、そっちじゃない!」
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