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鉄の籠 4

(卑怯すぎるだろ) 「...」 しばらくの間、鼓は笑っている鷲野を睨み付けた。 退学させる、という脅しだけでは弱いと感じ、鷲野は鼓と仲がいいと思われるクラスメイト1人を連れ出したのだ。 今、彼は鷲野の部屋にいる。 これは鷲野の賭けである。これで鼓が動揺し従ってくれなければ、今回の計画は全て徒労に終わるのだ。 「...」 「隣の席の、古木(ふるぎ) (けい)。いいのか?」 「...」 鼓は考え込むように顔を俯かせている。頭のいい鼓のことだ、何か考えているに違いない、と鷲野は背中に冷や汗をかいていた。 が、それは杞憂である。 (初めて隣の席の人の名前知ったなー。古木って言うんだ。でも古木って呼んでたら先輩怒りそうだもんね) 鼓は古木のことを考えており、特に鷲野は眼中にはないのだ。 (まぁ、鷲野の考えてることは分かるけど。どうせ部屋に入ったらGPS妨害機器とか置いてあったり、ドアを開けれないように取り替えたとかだろうな) 既に鷲野の考えは見破られていた。それも、仕掛けていること大体も分かられている。 そうとは露知らず、鷲野の心拍数は上がり続けていた。 (今日先輩帰ってくるし...俺がいないの分かったらどうにかしてくれるでしょ) 慎重派なのか、楽観的なのか。鼓はそう考え、鷲野に分かった、と了承をした。 この時、鷲野は勝った...!と喜びに満ち溢れていたが実はそうではないことを後に知る。

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