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制裁 2
「君はちゃんと抵抗したみたいだし、責める気は無いよ」
古木は少し目を剥き驚いた様子を見せた。
「こんなことがあって、君は鼓のことをどう思った?邪魔?面倒臭い?」
「そんなこと...」
「まぁ思ってたら怒るけど」
(先輩が優しく喋ってるの初めて見た...八九座さんには横暴だし、柴先輩と野沢先輩には口悪いし)
古木と遼介が自分のことについて話しているというのに、相も変わらず鼓は呑気である。
「今回は、全面的につーくんが悪い。つーくんが俺に相談しなかったのと、つーくんの可愛すぎて愛らしすぎる見た目が悪いのと、だね」
「やめてください先輩...」
「え、だって本当の話でしょ?」
(サラッと惚気けた)
丁度、鼓と遼介以外の思考が重なった瞬間であった。
「笑顔は胡散臭いし腹になんか飼ってそうな顔してますけど.....?」
古木がそう言い、遼介は思わず頷きたくなる衝動を抑え込んだ。
(胡散臭いとか、腹になんか飼ってるとか、当たってるな...ってことはつーくんの腹黒さ見たことないんだ)
遼介がチラリと鼓を見たところ、鼓はスィと視線を逸らした。
「だから君は責めない。責めた所で起こってしまったことは今更どうにも出来ないし」
「...ありがとうございます」
「鷲野はこっちの方で処分しとくから、もう部屋に戻っていいよ」
「処ぶ......はい。涼川、またな」
「あ、うん」
何か言いたそうではあったが古木は立ち上がり玄関に行った。
「隆盛か詩帆、ついて行って」
「人使いが荒い!もうっ、隆盛行こ!」
結局2人して古木を送って行ってしまい、部屋には、死んだように動かない鷲野と空気にならざるを得ない八九座とが残った。
「...つーくん」
「...えっと、ごめんなさい先輩......こんなつもりじゃなかったんですけど...」
「うん、つーくんは俺に心配掛けさせないようにしたかったんでしょ、分かってる......分かってるけど」
ガバッと抱きつかれ鼓はよろめいた。
「心配掛けさせないようにすればするほど、俺は心配しちゃうんだよ...俺の気持ちも分かれよ」
「ッ...」
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