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制裁 4

「つーくんは今、俺が迷惑かけられて怒ってるって思ってるだろうけど。違うよ、俺はつーくんが心配だから怒ってるんだ」 「心配だから、怒る...」 「そうだよ。つーくんが大切だから、怪我をして欲しくなくて怒るんだ」 「........................」 納得したのか、していないのか。とにかく、鼓はそれ以降静かになってしまった。 少しして遼介がつーくん?と問いかけると、微かに身じろぎをする。 「先輩、し、心配かけてごめんなさい」 「いいよ。次からは気をつけて?」 「はい」 「これで、この話は終わりだね」 2人は顔を見合わせて笑いあった。が、次の瞬間。 「じゃあ、俺は鷲鷹を成敗してくるから」 鼓を膝から下ろし立ち上がった遼介に、鼓は目を白黒させた。 「(待って、この話終わりなんだよね?!なんでまだ鷲野成敗する気でいるの?!)って、つーくんは思ってるよね?」 「エスパーですか!まさにその通りですよ!」 「つーくんの頭の中なんてお見通しななんだよ...ふふふ」 「す、すごい...じゃなくてです!この話終わりですよね?鷲野ももういいんじゃないんですかっ?」 「甘いよつーくん!「この話は終わり」って言うのは、俺とつーくんの間だけ。鷲鷹と俺の間では終わってないんだよ」 (あ...俺が鷲野って言っても直す気がないのは呼ぶのも嫌だからか) 今更ながらに鼓は理解した。 「俺のつーくんに手を出したんだから一発...否、去勢しとかないと俺の気が済まないんだ!」 「一発と去勢全然違いますよ?!去勢してどうするんですかっ」 「屑の遺伝子なんて残す必要すら感じられない!」 「グッ...は、反論出来ない!」 鼓も、鷲野のことを屑のだと思っているらしかった。

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