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Happy Birthday 2
玄関が開く音がし、鼓はヘラをおいてそこへ向かった。
「つーくん、ただいま〜」
「おかえりなさい先輩」
ギュッと鼓を抱きしめると、途端香る甘い匂い。
「ん〜?...なんか甘い香りするね?」
「先輩、今日何の日か知ってます?」
「?」
キョトン、とする姿を見て鼓はああ、言わなかった訳じゃなくて忘れてたんだ、と思い直した。
「今日先輩の誕生日ですよ」
「え、」
「でもごめんなさい、プレゼント用意出来ませんでした...」
「え、え?」
「け、ケーキは焼いたんですけど!美味しくなかったら残しても大丈夫で―――っぐ、るじぃっ」
骨が折れそうな程強く抱擁を受け思わず呻いてしまう。
遼介は鼓の肩に顔を埋めため息をついた。
(...やっぱり、嫌だったのかな)
思わず不安になってしまう。が、耳元で小さく「嬉しい...」と言われ直ぐに不安は吹き飛んだ。
さらにそのまま首筋をペロリと舐められ悲鳴をあげた。
「せ、せせせ、せんぱ、先輩?!」
「ふふ、めっちゃ嬉しい。ありがとうつーくん。誕生日でこんなに幸せだったの生まれて初めてだよ」
最上級に、ケーキよりも甘い笑みに真正面からタックルされ即KOされてしまった。
「っ、そうですか、良かったです」
辛うじてそう言葉に出し、ケーキを食べましょう!と遼介をリビングに促した。
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