149 / 437
Happy Birthday 4
うぅ、うぅぅぅ...と悩む。鼓は志帆この間言われたことを思い出していた。
『でも鼓くん。遼介は呼んでもらえたら嬉しいと思うよ、単純に。「先輩」付けててもいいからさ、「遼介先輩」とか』
(先輩は、俺に名前を呼ばれて嬉しい?本当に?ただの名前なのに?うーん...っ)
懊悩 すること数分。
「...普通に名前でいいんですよね?」
どうやら鼓は観念したようである。遼介は嬉しいそうに鼓を持ち上げ対面にして座らせた。
「うん。呼んでくれる気になった?」
「特別ですよ」
すぅ...と息を吸いゆっくり吐き出す。鼓の顔は赤らんでいる。
「....け..、い」
「.........聞こえない」
「りょ.....け、...ぱい」
「だめ、もう1回」
「っ、遼介、先輩!」
2回も言い直させられやけくそで大きく名前を呼んだというのに。遼介は感嘆の声を漏らしていた。
「うん。ありがとう、つーくん」
「えっと、どういたしまして...?」
「嬉しいよ、とっても。最高のプレゼントだ。もう思い残すことはない」
髪を優しく撫でられ、頬にそっと口付けをされ、鼓は心地良さに身を任せる。
(名前呼ぶだけでこんなに喜んで貰えるなら...次から時々呼んであげようかな)
あまりの嬉しがり方に鼓は苦笑しつつもそう思ったのだった。
****
遼介の誕生日編はこれで終わりです
短めでごめんなさい!どうしても名前を呼ぶシーンを含めたかったんです
遼介、Happy Birthday!
ともだちにシェアしよう!