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生徒会長の特権 7
恨めしそうに古木を見る遼介。
「先輩だめですよ、そんな顔しちゃ」
「だってぇ...」
シュン、と遼介に生えた耳と尻尾が垂れた気がしたのは気の所為だろうか。いや、気の所為ではあるまい。
「なんで古木くんは許されて俺はダメなの...?古木くんは俺とつーくんがいちゃついてる所を見たくて試行錯誤してるのに...めんどくささ変わらなくない?」
(あ、自分がしてる事がある程度めんどくさいことって分かってるんだ。えらいえらい)
「古木が試行錯誤する元凶は先輩でしょ」
「......クラス変えちゃおっか!」
「やめてくださいね」
「つーくんがひとりで泣いてたら俺が助けに行く!」
「その萌を写真に収めて崇めたい!」
「二人ともやめてください!」
「つーくんに怒られた。古木くんのせいだね」
「元は先輩が接触禁止なのに俺のところに来たのが悪いんです!」
鼓は遼介の背を押して教室の外まで追い出し、
追い出し...
追い出...
(うっごない!なんでだ、こんなに差があってたまるか!)
鼓と遼介の身長差は23cmである。筋肉量も体重も遼介の方が上なのだ、動かせる訳が無い。
「ふっ...く、んぅ......ッ、んんッ...ふぅッ......ッ」
無駄にエロい声が響き渡る。静まり返っているのはその声を聞こうとする輩がいるからだ。
「つーくんやめようか」
遼介は渋い顔をして鼓に制止の言葉をかける。
「え?」
「ちゃんと居なくなるから、ね?やめよ?」
「...え」
「っ、どうしたの」
鼓の顔が一瞬にして曇る。どうやら「ちゃんと居なくなるから」をネガティブな意味で捉えたらしい。
「側から離れてしまうのだ」と。直ぐに察した遼介が弁解する。
「...違うよ、つーくん。つーくんの側からは離れない。ただ、教室に帰るだけ」
あからさまにほっとした顔をした。その鼓の肩を優しく抱き寄せる。
「不安にさせてごめんね?」
「いえ...」
「こういう時、イチャイチャしたいから生徒会入らない?二人きりになれるよ」
「雰囲気ぶち壊しです。教室に帰ってください」
結局、遼介はまたお咎めを食らってしまった。
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