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明日は体育祭なので頑張りません 1

鼓は頬を膨らませて黙っていた。もうかれこれ、1時間になる。 遊びに来た詩帆と隆盛もこの沈黙に倣い静かにしていた。 (え、ちょっと何これ?なんでこんなに鼓くん怒ってるの) 肘で隆盛をつつき、小声で理由を問う。 (遼介が毎年恒例のについて話してなかったらしい。今さら変えられるものでもないだろう?) (あっちゃ〜...だから遼介、鼓くんの前な正座させられてるんだ) 遼介はソファーに座る鼓の前に正座させられていた。微動だにせず1時間経っている。動けば、喋れば鼓が叱責するからだ。 (今回も遼介が悪いな) (今回もね〜) 「今回もっていうな......」 遼介が振り返りもせず、ソファーに座る2人に小声で返す。(ソファーは、いつの間にか遼介が購入、2対になっていた) 「先輩、誰が喋ってイイって言いましたか」 「申し訳ございませんでした」 ((うわぁ...)) 深々と土下座をする遼介。それでも鼓の機嫌は治らず、ふんっと顔を背けてしまう。 原因は体育祭のことである。 学校にて、古木がそう言えばと切り出したのが青天の霹靂だった。 『氷川先輩、今年どうするって言ってるんだ?』 『何を?』 『聞いてない?毎年恒例らしいけど、優勝したチームの代表には「生徒会長からの熱烈なハグ」を貰えるってやつのこと』 『............へぇ、シメテくる』 『ま、待て待て待て待て?!まぁ、なんにも言ってないってことはもう変えてる可能性も.........涼川落ち着けよ!』 『チッ』 寮に帰る前に寄った遼介の教室。 そこで鼓は、会いに来てくれて嬉しいよと言おうとした遼介のネクタイをグイと引っ張り、顔を近づけ、笑顔で 『せ〜んぱい。俺と生徒会の仕事、どっちを選びますか?俺なんかとは一緒に帰れませんかァ?』 と鼻と鼻がぶつかる寸前まで寄せて脅した。 遼介はもちろん鼓だと答え、帰省、正座をさせられ体育祭のことについて求められた。 遼介はハッとした顔になった後、青ざめてしまった。そのためその件のことを忘れていた事がバレてしまい、弁解の余地すらないほど責め立てられたのだった。 そうして現在に至る。 「...他の誰かを、その腕で抱くんですね、へえ〜〜〜、そうなんですねぇ?」 「つ、「うるさい」.........、すみません」 「忘れてたってのが1番腹立ちます...入部届け書け書けって言うくらいならその話して欲しかったです」 「つ、「喋らないでください」......はい」

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