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夢ノ内高校体育祭 開催 12
『全員引き終わったようです!ではではまず3年から見ていきましょう!』
『もちろん涼川 鼓くんは1番最後な!』
(最後まで面白い所を取っておいて晒すんだ。嫌な性格だなほんとに)
引き攣る顔をどうにか無に戻す。周りには気づかれていないようだ。
『3年○○くん!』
「いやだああぁ!」
大型画面にどうどう映されたのは、バニーガールと書かれた紙。早速持ってこられた衣装は、網タイツにブルマタイプでレザー生地のコスチューム、ちゃっかりうさ耳、ふわふわしっぽまで付属されている。
それを見た観客席は大盛り上がり。
『あはははは!一発目でバニーガールを当てた○○くん!早速着替えてこよう!』
だが、引き摺られながら着替え室に連れていかれる屍(3年)を目の当たりにした選手たちは、各々に青くなった。
(ぃ...っ...いやだ!絶対あんなの晒し者じゃん!遼介先輩絶対恨んでやるからな!)
鼓ですらこう思ったのである。
次々に連れていかれる選手たち。これまで出たもので軽いものは、囚人服や何かのキャラクターの着ぐるみ、アニメのキャラなど。
キツイものは... 先程出たバニーガール、チャイナ服、ナース服、セーラー服、ミニスカサンタ、巫女服...など。
皆それぞれ、良いものに当たれば叫び、悪いものに当たれば逃げようとし捕まって連行される。
「ぎゃああぃあぁ」
「やめてくれええぇええ」
「神様ありがとう...」
「よっしゃああああ」
断末魔が飛び交い、とうとう鼓の番となってしまった。
観客席全体から鼓に視線が集まる。ホール内は一斉に静かになり、何故だか鼓自身も緊張してきた。
『最後になりました......涼川 鼓くん、どうぞ紙をお見せ下さい!』
(.........覚悟を決めろ、俺)
近寄るカメラマンに紙を渡す。
『こ、これは...』
<衣装 ネコ耳、ネコしっぽ、肉球手袋>
(あれ、そう言えばなんか俺だけ衣装軽いような...他の人全身コーデされるのに)
鼓が場違いなことを思って、ふむ、と考え込んだ次の瞬間。
「「「わぁああああぁあああああぁああ」」」
沸き上がる歓声・嬉声が体育館を揺らした。
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