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Merry Christmas
side遼介
夜。こっそりつーくんの枕元にクマのぬいぐるみを置いておいた。クリスマスカラーのリボンをつけた、白いクマ。
「鼓くんへ
Merry Christmas
サンタより」
なんて手紙も置いてみたりして。ささやかなプレゼントのつもりだったんだけど。
朝起きたらつーくんは既に起きていて、ぼんやりと枕元のクマを見つめていた。
「...くま」
なにそのカタコト。超可愛い。
「......くまさん、おはよう」
ん"ん"ん"...と悶え死にそうになるのを、堪える。
そう言えばつーくんは眠くなると子供っぽくなるんだった。
「なんでくまさんはここにいるの?白くてふわふわのくまさん...」
あ、だめだこれ。昇天しそう。
つーくんは不思議そうにしながらも、クマに手を伸ばす。でもその手は空を掻いた。
どうして、触れない?
「......くまさん、まちがえてここに来ちゃったの?そうだよね。僕のところに来るはずがないもんね」
........ぇ、
「僕は悪い子だもんね。来ないよね」
違う、それは、つーくんのだから
「ばいばい、くまさん」
パタンと再び横になる音。
待って、
「...お手紙」
鼓はクマに付けられていた手紙に気づいたらしい。ガザガサと開く音が聞こえる。
頼むから気づいて。それは鼓のなんだよ。
「............つづみくんへ、めりーくりす、ます、さんたより....?.....なんで、.........」
「Merry Christmas」
悲しそうに読む声に耐えきれなくなって、鼓を抱え込んだ。彼は泣いてこそいないものの、目は虚無でそれでいて潤んでいた。
「このくまさんは君のだよ」
「...僕の?」
「うん」
「.........ん?」
つーくんの目が、元に戻ってくる。
「...、え?」
意識が覚醒したようで、何度も目を瞬かせる。
「Merry Christmas、鼓」
「え、え?先輩?えっと、め、Merry Christmas?」
困惑するつーくん。
時々垣間見る、大事な彼の闇。どうしたら君の闇を取り払い、そこから連れ出せるのだろうか。
俺には、それが出来るのだろうか。俺には、その資格があるのだろうか―......
その後
「先輩!サンタ!サンタが来てました!やっぱりサンタは本当にいるんですね!」
「そうだね、よかったね〜」
「くま可愛い!」
(…あれ、これ割とガチの方で信じてる??)
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