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夢ノ内高校体育祭 開催 15
結果は3年のうち隆盛たちの一人勝ち。今のところ、紅組は優勢だ。
白組がいきり立つ中、鼓は1人冷静。
(どうにかして負けなきゃなぁ)
普通に走れば3位くらいに収まってしまう。どうせなら最下位位にまで落ちたいのだが。
(多分、周りは俺になんか負けてたまるか!って思って走ってくれるだろうから、俺は少しスピードを落とすくらいでいいかな)
そうこうするうちに、鼓が走る番となってしまう。未だ悩み続け鼓ファンクラブからの熱い声援を聞くことは無かった。
「位置について...よーい.........ドン!」
ピストルの音と共に走り出す2年生。鼓は第2走者で、既に準備済み。ちなみに考えは纏まらなかったようだ。
(あーどうか周りの皆さんが超早く走ってくれますように!)
鼓が祈る中。周りは鼓の猫衣装を見ならがらハァハァと鼻息を荒くしていた。
普段晒すことの無い腕は長く、普通の女子より白い。ズボンから除く生足は―ムダ毛処理などはされていないはず―毛など1本も見当たらず、またキメ細やか。
そして全体的に華奢。
誰もが見惚れるその姿。そんな目でじっっくり舐め回す生徒を、遼介は一人一人メモっていた。それも、中々の笑顔で。、
古木は......…
「涼川君!」
バシッとバトンが渡され、鼓はゆっくりとスタートした。クラスメイトには悪いが、負けさせてもらう!と。
『お前らああああああああぁぁぁ!鼓様を負けさせたらどうなるか分かってんだろうなああああああああぁぁぁ!』
(...は?)
「「「イェッサァー!」」」
(…は?)
観客席、1人の生徒が拡声器片手に叫んでいた。髪を金に染めピアスをいくつか付けたその不良(?)は、鼓を見て敬礼をした。
『お初にお目にかかります!私「鼓ファンクラブ」の会長にございます!貴方様が勝てますよう全力でフォローさせていただく所存にございます!』
(...なにこれ)
『絶対鼓様1位にさせるぞぉぉぉぉ!』
「「「おおおぉ!」」」
波乱の体育祭が、今、幕を開けようとしていた。
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