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夢ノ内高校体育祭 開催 16
不良会長『そこ!鼓様を抜かそうなんざ100年、いや、永久に有り得ねぇぞ!』
放送委員1『実況者が増えましたが行ってみましょう!ただ今1位は白組の涼川 鼓くん。周りが超スローで走っているためもう走ってるのかどうかすら分かりません!』
不良会長『おまええええ!鼓様に触れようとしてんじゃねぇぞゴラァぁ!』
放送委員2『なんか2位以降言っても意味ない気がするけど...2位紅組の北田くん、3位紅組の米村くん、4位白組の花村くんとなっています』
不良会長『紅組避けやがれぇぇぇえ!鼓様の邪魔してんじゃねぇぞぉぉ!それでもてめぇらツヅラーかよ!』
放送委員1,2『会長うるせぇ!』
鼓は、既に走って等いなかった。周りが自分に合わせて歩いているからだ。
少し早歩きすれば他の走者も早歩きで追いつく。走ればその分の距離を保ちながら走ってくる。
(こんなの体育祭じゃない。俺歩いてるけどいいの?先生なんも言わねぇじゃん、って、寝てるわ。だめだこの学校。
というか、あの不良会長が言ってた「つづらー」ってなんだ)
普通に歩いてゴールし次の人にバトンを渡す。何故か拍手喝采が起こった。
不良会長『鼓様!お疲れ様です!』
ぺこりと勢いよく頭を下げ、敬礼、不良会長は席に戻って行く。
(...それだけのための拡声器?!)
大事そうに抱えられる拡声器には「鼓様愛してる!」と書かれており、流石の鼓も引いた。
(あれ、でも先輩の時はこんな引くとかなかったのに。なんでだろう?)
『結果を発表致します。1位―...』
全員が完走し終え、衣装を返した後結果発表に移る。その頃には鼓も観覧席に戻ってきていた。
「ただ今戻り「つーくんお疲れ様」ひょ?!」
ドアを開けると既に遼介が待機していた。
(びっくりして変な声出た)
深呼吸をし落ち着かせ
「ひゃぅッ?!」
ようとしたがその前に遼介が鼓を抱き締めたため失敗に終わる。更には弱い首筋を指でツツッとなぞった。
「な、なに?なんですか」
「ヤキモチだよ...ただの、ね」
「や、やきもち...焼き餅」
「つーくん漢字変換下手くそになってる。落ち着こ?」
「じゃ、あの...離して」
「だ〜め」
「触っちゃだめってって言ったじゃないですか!」
「ごめん。そんなの無理だよ」
「あの、そこでいちゃつかないで貰えます〜?」
鼓の後ろから志帆が声をかける。詩帆と隆盛も一緒に帰ってきていたのだ。
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