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夢ノ内高校体育祭 開催 21

4人で食べれば、そこそこあった昼食も早めに片がついた。 それでも尚遼介は帰って来ず、鼓の苛立ちは加速するばかり。 その代わりに携帯に数百件もの電話やメールが大量に届いていた。 が、本気で申し訳ないと思っているなら電話じゃなくて出向くべきだと、サイレントモードにしていまい鼓は連絡を絶ってしまった。 「次は3年生の借り物競争か〜」 「...なに」 詩帆は係、遼介と隆盛は走者のため降りており、残ったのは古木と鼓のみ。 その古木は横にいる鼓にニヤニヤとした笑みを向けていた。 「いやぁ、嫉妬する涼川がいいなぁ〜って」 「どういう、」 鼓が問いただそうとした瞬間、アナウンスが掛かり問いただしそびれてしまう。 放送委員1『さてお昼休みが終わりました!次の競技は午前の部に引き続き借り物競争です』 放送委員2『3年生は毎年盛り上がりますからね!特に今年は氷川 遼介さんも出ているということでより一層賑わっています!』 「氷川先輩やっぱり人気なんだな」 「......…そうだね」 「お?何その言い方、ヤキモチ?」 「もぎ取るよ」 「何を?!」 縮こまる古木をさらに睨みつけて静かにさせる。 特に何事もなく競技は進んでいくが、そう言えば、と古木が呟きを漏らした。 「1,2年の借り物競争で氷川先輩を連れて行った男子。あれ元クラスメイトだったらしい」 「...」 「前のクラス、今思えば散々だったよな」 古木と鼓は件の鷲野のせいもあってクラスを代わっている。もちろん、それも遼介が裏で手を回していたのだが。 元々鼓たちがいたクラスは貴族意識が高く、相手を蹴落とすことこそ素晴らしいとされていた。 そんな中に爆弾発言をしてしまった鼓を入れたのは、わざとなのかわざとではなかったのか。 今は知る由もない。 「今のクラスはいいよな〜」 「うん、俺も気分的に楽」 会話が途切れ、また静かになる。と、古木があ、と声を出した。 「今度は何?」 「あそこ」 指を刺された方を見れば、元クラスメイトが下で待機していた。 「あれさ、多分応援しに来た感じじゃないよな。「可愛い人」とか「恋人」とかって出たら行くんじゃね?鬱陶しい」 「...」 「涼川!」 「な、に?」 突如大声で名前を呼ばれ鼓は少し飛び上がった。しかし、古木は関係なしに肩をガシリと掴みこう言う。 「お前氷川先輩の恋人だろ!むくれてないでどうどうと胸張って行ってこい!変なやつ出なかったら出なかったで、先輩奪還してこいよ!氷川先輩、涼川命だから浮気とかはないだろうけど見てて面白くないなら自分で変えろ!」

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