202 / 437
夢ノ内高校体育祭 開催 29
小休憩が挟まれ、詩帆の玉入れも終わるとついに最終演目が始まった。
補足だが、詩帆は玉入れの際。ボールに足を取られ顔面から床に盛大にキスを果たしていた。
大笑いする群衆に涙目になりなり「お前ら全員退学させてやるからな!」と言い前線を離脱している。
最終演目はリレー。
鼓は出ないことになったが、遼介は出場するままだ。
「じゃあ行ってくるね?」
「いってらっしゃい、頑張って」
(そう言えば障害物競走で接触禁止って言ったけど、いつの間にか有耶無耶になってる。まぁ今更だけど)
握っていた手を離し遼介が出ていく。
このリレーで勝てば毎年恒例の「生徒会長とハグ」は無くなる。残念がる生徒もいるだろうが、それは遼介の眼中には無い。
遼介が1,2に考えるのは鼓のことであり、鼓の喜ぶことならなんでもやり遂げる。
ただ、これはあくまで勝てればの話だ。
このリレー、スポーツ学科が毎年優勝しているのだ。
今のところスポーツ学科と遼介たちのチームは互角。気を抜けば直ぐに追い抜かされてしまう程だ。
“スポーツ学科”なだけあってスポーツ全般が得意な学科だ、自分たちが得意とする体育祭で負かされたというだけで憤っている状況。
どういった作戦で来るのか、遼介は皆目検討もつかなかった。
スポーツ学科1「んもぅ!アタシのハグで絶対遼介様のハートは頂きなんだからァ」
スポーツ学科2「何言ってんのよォ、アタシがハグするに決まってるじゃない!ガチムチは黙ってなさい!」
スポーツ学科1「アンタこそガチムチじゃないのォ!人の事言えないでしょ!」
スポーツ学科3「オイうるせぇぞ乙女 ども」
スポーツ学科12「「アンタこそ黙りなさい!」」
スポーツ学科他(オネエ怖ぇ...)
特に、何も考えてなさそうである。
ともだちにシェアしよう!