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表彰式 4

重い荷物を運び、鼓のところへ向かい、撫でてもらう。また荷物を運び、鼓のところへ。 幾度となく繰り返されるうちに鼓も慣れてしまったようで。最初こそ文句を言っていたが何も言わなくなってしまった。 何より、そんな遼介が可愛いと思ってしまっているのだから無駄であろう。 「つーくん疲れた、撫でて?」 「……思ってた仕事と違う」 そう言いつつも頭を撫でる。 大体の荷物は片付きそろそろ帰れそうだ。 遼介も動く回数が減ってきている。 「先輩は指揮するだけじゃないんですね」 「ん?」 素朴な疑問を口にした。 遼介のような立場であれば何を言われようと相手は反論出来ないだろうし、下の者に任せても正直良いのだが。 遼介は指揮を取り、そして自ら動く。 (別に悪いことじゃないけど、ただ単に不思議。権力持ってる人ってみんな、下がタダ働き同然に扱われてると思ってたし) 「だって、俺が動かないとみんな動かないよ?」 遼介の言い分に鼓は「?」を頭上に浮かべた。 「上が動かないくせに下にばかり指示をするなんて、不満が溜まっても仕方が無いよね。 例えば、視察。上の人は1度も見たことなんて無いのにあれやこれやって言ってても信憑性もないし、そんな奴に指示されても下は動かない。 だったら自分から動こうとしないと、ね」 「…………」 じっ…と遼介を見つめる。その目は尊敬、と言うよりも。 「見直した?」 「はい。先輩でもそんなこと考えてるんだなぁって」 「俺の評価元々低かったの、それ」 「評価ってか、すとーかーだったし…」 遼介は頬を指でかき視線を逸らした。気まずそうである。

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