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表彰式 5
国旗も仕舞い終わると全員が体育館から出ていった。
遼介と鼓、詩帆と隆盛も体育館の点検が終わり次第帰れることになっている。
因みに教師陣と古木を除く生徒は全員帰った。
「あ〜終わった〜!」
確認が終了。体育館から出ると詩帆が大きく伸びをした。
「野沢先輩、柴先輩お疲れ様でした」
「お疲れ様!優勝出来て良かったね!遼介のこと守れたし!」
「涼川君もお疲れ様」
「はい。遼介、の……お陰でもありますけど、先輩2人のお陰でもあります。ありがとうございました」
一度詰まったのは、遼介と言った途端詩帆と古木がニコリと笑ったからである。若干鼓の顔は赤くなっていた。
(その笑みやめて、大声で呼んだこと思い出すからっ)
「先輩お疲れ様でした〜終始にやけさせて頂きました〜」
古木も鼓に習い挨拶をする。
「え、どこの辺り?やっぱり俺はあの借り物競走かな〜」
「俺もです!あの熱烈な叫び最高でした!」
「遼介っ、て。可愛い!」
「萌える!」
「〜〜〜〜〜っ」
口をまるで鯉のようにパクパクとさせ耳まで赤くなる。反論しようにもその通りなので反論出来ないのだ。
すると、遼介がニコニコとしながら詩帆に近づき。
襟首を掴みどこかへ連れて行ってしまった。
「ぎゃああああ!すみませんでしたすみませんでした!もう鼓くんいじらないからぁぁ!」
「つーくんたちは先に帰ってて。俺はこの馬鹿に話があるから」
後に残った古木は自分の運命はアレか…と呟き南無阿弥陀仏と唱えた。
side 遼介
詩帆を連れてきたのには理由があった。
引き摺っていた詩帆の顔色はなかなかに悪く、こうなることが予想出来てたみたいだ。
寮の裏手の壁に追い込み、睨めつける。
「つーくんがいたから言わなかったけど。つーくんのファンクラブお前が仕切ってたんじゃなかったっけ?誰あの不良」
「降りた…」
舌打ちをして天を仰ぐ。そんな気はしていた。理由は、と問えば観念したように饒舌になる。
「間近でつーくんを見れるようになったから…、こそこそファンクラブで愛でる必要無くなったし」
「ぁあ、そう。でもお前が辞めたことであとの奴らが暴走したらどうするんだ。留金のお前が辞めたことでアイツらは好き放題できることになるんだぞ。
なんで事前に言わなかった。後々面倒になるのはお前なんだからな?」
「分かってる!それに面倒なことにはなってない!あの新人会長の後ろ盾はShivaってことになってるから、下手なことは出来ない!」
「…馬鹿な詩帆の割にしっかり考えてるんだな」
「わ、悪かったな!」
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