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海外旅行は”でーと“にはなりません 3

-斯くして、海外へのデートは免れたもののデート自体を免れることは出来なくなってしまった。 (そうは言っても…でーとって何処に行くんだろう?) 6時間目が終わりそれぞれが各々に帰る中、鼓は椅子に座って携帯で調べ物をしていた。 古木は先生に呼び出されており、いない。 「デートスポット、人気……っと」 検索結果は10,000件を超えてしまい、手当たり次第に見ていくことにする。 まずは1番上を押した。 (「人気デートスポットランキング TOP10」……1位は、え、北海道?!…なんか違う) 鼓は直ぐに違うと思い、別のサイトに移った。余談だが2位は青森だ。 (「これこそデート!みんなが行きたがるデートスポット」……夜景系が多いんだけど、別に夜景を見たい訳じゃないし) ある程度見て、お目当ての情報はなく閉じる。 「あ、これ」 次に見たのは、人気のレジャースポットのサイトである。書かれているのは遊園地や水族館など、有名所の名前だ。 遊園地等に一度も行ったことがない鼓は目を輝かせそのサイトのページを隈無く見て回った。 「つーくん何見てるの?」 授業が終わり、迎えに来た遼介が鼓の携帯を覗いた。鼓はニコニコとしながら「でーとすぽっとです!」と画面を見せる。 その笑顔に悩殺され一瞬惚けたが気を取り直し、携帯を一緒に閲覧した。 ついでに、鼓の居た席に遼介が座り、よいしょと鼓は遼介の膝に座らされた。 「ん、つーくん何処がいいの?」 「先輩と一緒なら何処でも楽しそうですね」 「(んんんんんんんっ)」 古木ではないが、遼介も鼻血が出そうになり鼻をつまんだ。 「俺、遊園地とか行ったことないんです。あ、水族館もですけど。あと、動物園とか」 「どれがいい?」 「……えっと……………決めれません…」 画面をスクロールさせながら、あれがいい、これがいいと2人で意見を出していく。遼介が意見を出し、鼓がそれに頷き質問する。 「水族館…か、遊園地か」 2択に漸く絞れたところで、さらに鼓が迷うこととなる。 (どうしよう…どっちもいきたい、楽しそう…) 「つーくん、そんなに悩まなくていいよ?」 「え?」 「次があるんだから。どっちかはまた今度行こう?これっきりになる訳じゃないんだよ」 「!そうですね、じゃあ今回は遊園地に行きたいです!!」 わかった、と遼介は鼓の頬に軽くキスをし了解をした。 「どうしよ、入るタイミング失った…でも萌が供給されてて死にそう」 そう呟くのは、成績のことで呼び出された古木である。

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