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某ネズミの国でお揃いの物を 7

「ここに行きたくてさーー」 「嫌、いやいやいやいやいやいやいやいや!!帰る!ここだけはむりいいい!!」 「え、そんなに嫌?ちょっ、力強い?!」 「帰る帰る!いやぁああ!」 「うおぉ、拒絶反応すごいね…」 遼介に言われるがままついてき鼓は、その場所が近づくにつれ顔を青ざめさせていった。 遼介が鼓を連れていったエリアはホラーエリアだ。 エリア内ははだんだんと全くホラー要素が増えてくるタイプで、鼓は最初どこに行くのか分からなかったようである。気づいたころにはもう遅く、乗り物の前だった。 そしてこれ乗ろう?と指さして言われ、綺麗な顔を先ほどより真っ青にさせた。 それから、絶叫した。もちろん逃げ出そうともしたが流石にそれは許されない。建物の影に強制連行、優しく抱かれて身動きも取れなくなってしまった。 「俺ついてるから、ね?大丈夫だって」 「で、も……でも、怖い、これ以外ならなんでもするから、お願い…」 「俺はこれがいいなぁ…それに怖ければ目瞑ってればいいよ」 「確かにチュロス食べちゃった俺が悪いけど…、それでも怖いの嫌です……どうせ遼介、あれでしょ、俺が怖がってるの見てニコニコしたりとか、俺が腕に擦り寄ってくるの見てニヨニヨするのでございますよね」 「つーくんはテンパると言葉がおかしくなるのか、学習した」 「してないで俺の話聞いて」 「答えはイエスだよ。その通り、つーくんを可愛いがりたいがため」 やっぱり帰る、脛蹴るから大人しくしててと臨戦態勢を取るが遼介はどこ吹く風と受け流した。 鼓は本当に蹴ることつもりがなかったらしい、ムゥと大人しく腕に抱かれた。 それをいいことに遼介は頬や額や鼻先に幾つかキスを落とした。最後は、唇へ。 軽いキスは官能ではなく擽ったさを引き起こす。気分的にもエロティックさがない。 「…もし一緒に乗ってくれたら何か一つ、言う事聞くよ」 「それいつもの事です…」 「あ〜〜、そうだった。じゃあお揃いのもの、買おう」 「お揃いのもの……」 「そう。つーくんはどうやら俺がお金を払うのが嫌らしいからね、お揃いのものだったらお互いがお金を出すものだし」 ここまでの代金は全て遼介が支払っている。気にしていた鼓はそれに1つ返事で了承した。 それでも鼓の顔は青かった。

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