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某ネズミの国でお揃いの物を 6

クマは見事にお買い上げされ、後日部屋に送られることとなった。その(かん)鼓はずっといらない、欲しくない、大丈夫とわめいていたが抵抗虚しく惨敗に終わった。 「つーくん、ほんとに嫌なら俺の目を見て断って」 「………」 最後の最後にはそう言われてしまい、鼓も降参の旗を挙げたのだった。 絶叫マシーンのコーナーに向かいながら二人は景色を楽しんでいた。どこを見てもメルヘンであり、飽きることはない。 「そういえば海のほうもありますよねここ」 先ほど買ったチュロスを食べながら遼介に聞く。ちなみにこれは遼介がトイレに行っている隙に鼓が自分の金で買ったものだ。イチゴとチョコバナナと抹茶とメープル味をそれぞれ2本ずつ。ここでも大食いを発揮していた。 「あるけど入り口も入場料も別みたいだね」 「そうなんですね、繋がってたら行こうと思ったんですけど…」 また今度だね、そう遼介が言った途端鼓は花が咲くような笑みを浮かべた。 (今度、そっか、今度があるんだった。すごく嬉しい) 「はい!」 「かっわい…ところでつーくんさっきまで手に持ってたチュロスはどこに行ったのかな」 「ちゃんと遼介のも残………あれ、」 鼓は何にも持っていない両手をぐーぱーさせる。鼓らしからぬ、失敗。すべて食べてしまったようだ。4種×2本ずつ=8本をすべて。 「……食べちゃったみたいね」 「すすすすす、すみません!もっかい買ってきます!!」 「いいよ大丈夫。その代わり、俺行ってみたいとこあるからつきあってくれない?」 鼓勢いよく首を上下に振った。 「もちろん付き合います!!!!」

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