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某ネズミの国でお揃いの物を 11

身長が五分五分の2人が近距離に立つとなかなかな迫力があった。その間に挟まれる鼓は、普通身長にも関わらず小さく見える。 『その子、俺の連れなんだけど何か?』 『あ〜……いや、済まない。まさか本当に居るとは思ってなくて。断る口実だと思ってたんだ。君はその……友人?彼氏?』 『彼氏の方だよ』 『……それなら謝る、申し訳なかった』 鼓の傍に寄りそっと頭を抱える。鼓は目を見開いて暴れたが力技は遼介の方が上なようだ。 両手を上げ降参のポーズをとる男性に、遼介は睨みつけつつも許す体制をとる。 『可愛い可愛い俺の恋人に、もう手出ししないなら許すよ』 『もちろんだ。君みたいな男に俺が勝てるはずもない。本当にすまなかった』 『あぁ、それじゃ』 男性は気まずそうに去っていき、残されたのは体勢のおかしい鼓と遼介。鼓は小さく聞こえるかどうかも分からない声量で離して下さいと呟いた。 だが腕が離されることはない。むしろ、強くなった。 「つーくん……キスしたい」 「え?!」 「俺は今猛烈にヤキモチを妬いています」 「あ、はい?」 「だからつーくんをキスでドロドロにして鬱憤を晴らそうと思っています」 「?!?!?!?!」 「という訳で物陰に行きましょう」 口を金魚のようにハクハクさせ言葉を発せられていない鼓を引き摺り、トイレに連れ込む。 幸いにして誰もおらず、だが万一のため個室に入った。 視線を泳がせどうにかして逃げる手段はないものかと考える鼓。 しかしながら何もアイデアが出てこず、結局壁に押し付けれてしまう。 そうして硬直した。 遼介の目が、獰猛な猛獣みたいだったからだ。 「りょ、」 「今の鼓に拒否権はない」 「っ」 初めて見る強引さに息を詰めてしまい、その隙をついて、唇を奪われた。 ぬるり、と遼介の舌が口腔内に侵入し、鼓の舌と絡まる。早急な動きに肩が大きく跳ね、壁にぶつかり音を立てた。 舌裏を擽られるのが弱いらしく、腰が震える。 口を犯されることは、いつまで経ってもなれない。 味わうように唇を数度食み、舌を絡ませ、唾液を交換する。 「や、ぁ…」 後頭部を押さえつけられ逃げられず、ただただ翻弄される。何度も、何度も、舌を甘噛みされると、我慢できず吐息を零した。 足が震え腰が抜けもう立ってられない…、そうなった時漸く鼓は甘美なキスから解放されたのだ。

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