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某ネズミの国でお揃いの物を 13

たっぷり時間をかけて口の中を蹂躙された。口の周りは唾液にまみれて、悲惨である。 「は、ふっ……はぁ、はぁ……」 「行こうか」 満足したらしい遼介に連れられカフェの外のベンチに座り、下からぼんやりと見上げる。もちろん足が震えていた。 「飲み物買ってくるからここで待っててね。今度は誰とも話しちゃだめだよ」 掠めるようなキスを1つ、遼介は足早に先程のカフェに戻って行った。 (もう二度と遼介を嫉妬させたりしない。だってあとが怖いもん…) グッタリベンチにもたれ掛かる鼓はそう決意した。 「つーくんただいま、はい飲み物」 笑顔で戻ってくる遼介の手にはカフェオレとイチゴミルクオレが握られていた。カフェオレはS、イチゴミルクオレLLサイズである。さすがの鼓も一瞬胸やけを考えた。しかし買ってきてもらった手前、何も言わず受け取ることにする。 「おかえりなさい……おれごはんたべたいんですけど」 ぐったりしている鼓に手渡されるLLサイズ。それに口をつけながら鼓はそう言った。…先ほどチュロスを8本食べていた人物のセリフとは思えない。 「うーん…ダウンしててお腹も減ってるところ悪いんだけど、今から絶叫マシーン乗るからね。その前に食べると吐いちゃうよ?」 「え、容赦ない…」 「動かないと抱っこします」 「せんせ〜ここに鬼がいます〜……」 「その鬼が好きなのは誰かな」 「………………………俺ですね」 胃の辺りを摩りながら立ち上がり、深く息を吸い込む。 「絶叫マシーン攻略して早くご飯食べましょう!」 飯のためならなんだってする、それが鼓である。まぁ言い換えればただ単に「食い意地が張っている」だけなのだが。 エリアは山岳地帯のような場所に入っていき、鼓はまた興奮が戻ってくるのを感じた。西武時代風に作られたエリアは今にもカーボーイが歩いてきそうな雰囲気が漂っており、マシーンの乗り場も非常に凝った作りになっている。赤茶けた岩の周りを激しく動くマシーンに乗るタイプで見た目は汽車に似せて作られていた。 「遼介、すごいですね!西部劇の中に入り込んだみたいです!」 「かなりリアルだよね、あ、つーくんあそこ水が」 「わぁぁ」 ててて、と遼介に言われたそこに向かう。その姿の可愛さに遼介は思わず盗撮が止まらない。 ……しかしあまりにも鼓が景色に見とれて動かないため遼介は失笑し、乗り物乗るよ、と促し乗り場へ連れて行った。

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