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絢爛豪華な部屋 3
荷物は明日の放課後には送られるからと説明を受ける。
一時的に寮を変更するのだから手続きがと鼓が言うともう済ませたよの一言。
(俺が移動するの最初から決定だったんじゃ…)
なにか恐ろしい思惑を見たような気がして、そこの部分には目を瞑ることにした。
「そう言えば」
鼓を股の間に入れソファーに座った遼介が、何故か悲しげに喋り始めた。
相も変わらず恥ずかしさの惜しげもない。
「あっちの部屋って、ベッドひとつしかないんだよね」
「今と変わらないですね」
遼介は凝りもせず毎夜毎夜、鼓が寝付いた頃、部屋に寝に来ている。鍵をつけた意味も虚しく、簡単に突破されていたのだ。
なお、そうしているのは鼓が毎日魘されているせいなのだが。
……して、何故今さらそれを悲しそうに話すのか。
「ひとつなのは全然いいんだけど……無駄に大きくて、つーくんが遠くなる」
鼓は数度瞬きをして、そんな理由……?と呆れた目で遼介を見た。遼介は顔を顰めた。
「そんな理由なんかじゃない。つーくんは俺に触ってもらえなくてもいいの?!」
(あれ、俺何にも言ってないはずなんだけど。遼介はやっぱりエスパーかな)
「すっっごく語弊を生む言い方ですね。俺は別に…あ……………やっぱりいいです」
何かを言おうとして、しかし鼓は顔を赤くして黙り込んだ。遼介の抱擁からも逃げようとする。
何、言って、と遼介がせがむも鼓は口を割らない。
遼介がツツッと首筋を撫でる。
「ヒッ」
小さく悲鳴をあげたのをいいことに、撫でた部分に唇を寄せ、吸う。
「や、ぃ、ぁっ」
身を捩り腕を暴れさせ、甘い声を零す。吐息が悩ましげに漏れだした。
外へと伸ばされた腕に、遼介の腕が合わされる。逃がさないとでも言いたげに、手が組まれた。
「ひ、ぁっ、だめ、ヤッ」
「言う気になった……?」
耳殻全体に響く声が、腰に甘い疼きをもたらした。耐えられず首を振る。
「耳、だ、め!」
「言う……?」
「い、言う、言うからやめてぇッ!」
離された鼓はゼェゼェと荒い息を吐いた。
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