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幸せな時間は終わりを告げる 5
……先に寝を上げたのは、古木の方だった。
「もう無理勘弁してください」
「…」
「お願いします神様仏様鼓様」
(ギブアップ早くない?)
冷たい視線に耐えきれないのか、教科書で顔を隠す。鼓の周りの温度がさらに下がった。
モブA「(なんか寒くね?)」
モブB「(冷房効きすぎだろ、……って付いてねぇぞ?!)」
モブC「(おい、あそこ…)」
モブD「(察した)」
「じゃあ、今日はここまでにしとこう」
「先輩が神様に見える……」
割って入ってごめんね、と遼介は声を掛けながら鼓の近くに座り直した。古木は遼介を崇めている。
「え、遼介?」
不思議そうな鼓。
「これ以上つーくんに触れないのは、俺としては寂しいかなぁ。キスもしたいし」
「え、あ、ぅ、っ」
(ふ、不意打ち、!無理!)
カァァッと鼓の頬が赤く染まる。
古木がしたように鼓も教科書で顔を隠し、そして照れ隠しにバシバシその教科書で遼介を叩いた。
痛い痛いと言いながらも、その程度の力では全く痛くないだろうに。
「あはは、つーくん可愛い」
「今、それ、言わないでっ」
「かーわーいーいー。ねぇ、つーくんキスする?」
「や、」
「みんな見てないよ」
「見てるっ、だめ、帰ってからです!」
「おいで?」
「や、やだってば!このすとーかー!」
「うん、ストーカーだよ」
古木が安らかな顔をして逝った。
「(え?ストーカー?)」
周りがざわついたのは、その数分後の事だった。
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